9話 ページ10
最近よく彼女が視界に入るようになった。言い方に語弊があるかもしれないが、何かあるとすぐに彼女の姿を探してしまう…そんな感じだ。
そう思いつつも、珍しく松田と2人で部屋でくつろいでいた。
「降谷ー明日どうする?」
「明日?何かあったか?」
「明日、足りないもの買いに行くとか言ってたじゃん。」
ああ、ノートや参考書類のことか…。珍しくすることもないから一日中ゴロゴロしようと思っていた降谷だったが、買い物に行かなくては、いけないことが発覚した。
「行くけど、松田も来るのか?」
「え、行っちゃだめなの?」
「別にどっちでもいいけど?」
じゃあ行くわーと松田は降谷の肩を組んだ。
「暑苦しい!」
そう言って降谷は松田を退かした。
季節はもう梅雨を迎えて部屋の中はジメジメしてき始めた。窓を開けたといっても涼しい風など全く吹いてこなかった。
「そーいや、この間Aと会ったんだって?」
「いつの話だ?」
「ほら、爆弾処理教えてくださいって言ってきたあの日」
ああと思い出し、そんなこともあったなぁと降谷は感慨深かった。
「あの時、お前のこと褒めてたぞ?」
「へー……ん?褒めてた?なんで?」
「いや、1回教えたらすぐ覚えるみたいだったから降谷みたいだねって教えてやったら褒めてた。」
松田は机にあったスルメを食しながら冷たい麦茶を飲んでいた。降谷もスルメを口に放り込んだ。
「そ、そうなのか…Aが…」
「で?本題だけど、お前好きなの?」
降谷はスルメを噛まずに飲み込んでしまった。変なところに入ったのか噎せていてコップに入った麦茶を飲み干した。
「き、急に何をいいだすんだよ、松田!!」
「え、ちげーの?満更でもなさそうな顔してる癖に」
そんなことない!と降谷は固く口を閉ざすが、胸の中で少しモヤモヤしていた。
「別に減るもんじゃねぇんだから素直に吐いちまえよ降谷」
妙なイケメンボイスで囁く松田に降谷は強く出ることができない。かと言って、肯定するのも気が引けて。
「だから、好きとは言っていないだろうが!ただ、…」
「ただ…なんだよ。」
「別に松田には関係な______」
「ただ、笑ったら可愛いなって、か?」
降谷は松田の顔を見て驚く。萩原たちとバカ騒ぎはするがそれ以外については真面目で完璧な降谷だったのだが今回に限ってはいつも通りにはいられなかった。
「図星かよ」
「…」
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夜空(プロフ) - いつも楽しみにしてますもう最新しないんですか?出来ればまた、最新して欲しいです頑張ってください応援しています (2021年5月5日 21時) (レス) id: 15c1247fea (このIDを非表示/違反報告)
ぷっちょ(プロフ) - 環奈さん» 本当ですか!?作った甲斐があります!これからもこの作品をよろしくおねがいします(^^) (2018年6月9日 18時) (レス) id: 358e6d9f8d (このIDを非表示/違反報告)
環奈(プロフ) - 警察学校組の作品いっぱい見ましたけど、この作品が一番好きです (2018年6月9日 12時) (レス) id: 7c11cf583b (このIDを非表示/違反報告)
和美/美香 - いえいえ、どういたしまして。はい、わかりました。続き頑張ってください。 (2018年6月7日 20時) (レス) id: 1f2c06e01c (このIDを非表示/違反報告)
ぷっちょ(プロフ) - 和美/美香さん» 初コメントありがとうございます!引き続き皆仲良くやっていきたいと思います! (2018年6月7日 18時) (レス) id: 358e6d9f8d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぷっちょ | 作成日時:2018年6月7日 8時