16話 ページ17
降谷は松田をAから少し遠ざけたところで話し始めた。
「松田、わかっているな?」
「へいへい…俺が悪かった悪かった」
「全く思ってないだろ!?」
松田は降谷と全く目を合わせようとしなかった。
蝉の声が活発に聞こえる。この近くの木にでも止まっているのだろう。
「いいか、俺は別にあいつに気持ちを伝えるつもりもないし、これから先もない。余計なことはするな?」
「は?なんで伝えねーの?」
「…別にいいだろ理由なんて。」
少しさみしそうな顔をして降谷は答えた。
「…まあ、降谷がそういうなら別にいいけど。」
ゆっくりしてるとAが知らない奴にとられてからじゃあ遅いんだからな!っと松田がどこぞの主人公のように声をかけた。
降谷も、わかっていると返事をするだけで、なんだか雰囲気が暗くなってしまった。
「じゃ、Aのところに戻ろーぜ。怪我してるみたいだしな」
「え、あいつ怪我をしているのか!?」
「おいおい、気づかなかったのかよ。」
降谷は周りが見えているのか見えていないのか…と松田がため息をつき、視線をAの方に向けた。
「あれ?Aの横にいるやつ…誰だ?」
Aしかいなかったはずなのに男性が隣に座っていた。それもAの手を握っているではないか…
「おい、降谷!ってはぁ__」
**
「ですから大丈夫なので手を心配ご無用です。」
いやいや、こんな美少女を怪我させたんだ。お詫びに食事でも奢るから今度外食に行こう。と男性は決してAの腕を離さず、諦めはしなかった。
「だから、本当に結構です!手を離してください!」
「久我さんは1番の美人さんって聞いてるし…怪我させちゃったから…」
Aはいい加減にしてくれ!と思っていると、そこに思わぬ助人がやってきた。
「離してやれ。困っているだろ。」
降谷が言い寄ってくる男の腕を掴んだ。
「はあ?誰だよあんた。」
「お前の1つ上の降谷零だ。」
わかったなら離してやれ。と強く男の腕を握った。
「いっ!」
「降谷先輩!」
「お前が彼女を傷つけたのか?」
ドスの効いた声で降谷が男に言った。初めて降谷のそんな声を聞いたAは少し怯んでしまった。
同じようにAの手を握っていた男も離して顔を真っ青にして去っていった。
「やりすぎだろ。」
「…そうか。すまん…」
「…降谷、せん、ぱい」
いつも笑っている降谷しか知らないAは今回初めて怖いと思ってしまった__________
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夜空(プロフ) - いつも楽しみにしてますもう最新しないんですか?出来ればまた、最新して欲しいです頑張ってください応援しています (2021年5月5日 21時) (レス) id: 15c1247fea (このIDを非表示/違反報告)
ぷっちょ(プロフ) - 環奈さん» 本当ですか!?作った甲斐があります!これからもこの作品をよろしくおねがいします(^^) (2018年6月9日 18時) (レス) id: 358e6d9f8d (このIDを非表示/違反報告)
環奈(プロフ) - 警察学校組の作品いっぱい見ましたけど、この作品が一番好きです (2018年6月9日 12時) (レス) id: 7c11cf583b (このIDを非表示/違反報告)
和美/美香 - いえいえ、どういたしまして。はい、わかりました。続き頑張ってください。 (2018年6月7日 20時) (レス) id: 1f2c06e01c (このIDを非表示/違反報告)
ぷっちょ(プロフ) - 和美/美香さん» 初コメントありがとうございます!引き続き皆仲良くやっていきたいと思います! (2018年6月7日 18時) (レス) id: 358e6d9f8d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぷっちょ | 作成日時:2018年6月7日 8時