ハイキュー！【短編集】彼に〇〇しちゃいます。されちゃいます。

☆菅原孝支 【看病】 ページ14

ぴぴっ…

脇に挟まった体温計が音を鳴らす。

朝から頭痛、腹痛などが襲ってきた私は明らかにおかしかった。

『38℃…』

だるさで立ち上がることも出来ない私。

私は熱が出ると変な感覚に襲われ怖くなる。

熱の時に1人っていうのがほんとに嫌い。

誰かに頼ろうとしても親は仕事。

今は1人なのに、ガチャリと開く扉

目を向けなくてもわかる。

『孝支…』

菅「うわ、顔真っ赤じゃん！大丈夫か？熱は？薬は？」

幼なじみの菅原孝支

彼は私がピンチの時すぐ駆けつけてくれる。

『流石だね…孝支は』

菅「はぁっ…たく、」

彼は落ちていた体温計を見る。

菅「38℃…すごい熱だな、待ってて」

彼は部屋から出て行く。

今は…行って欲しくなかったのに

そんなんで、あまりにも頭痛が激しい私は起き上がり頭を抱える。

うめき声をあげる私に…優しい手が背中をさする。

菅「薬持ってきたから飲んで」

優しい声に優しい手。

優しすぎる彼にまた惚れてしまう私。

『薬は嫌い』

菅「わがまま言わない、ほら」

言われるがままに飲まされる。

嫌々飲む私に…彼は頭を撫でてくれる。

菅「えらいえらい」

薬を飲むと副作用の眠気が襲ってくる。

でも…

『怖いから…寝れない…っ。』

またあの変な感覚に襲われ、怖くなる。

と、

ぎゅぅっ…と暖かい温もりが私を包み込む。

菅「ほら来いよ…昔からこうでもしないと寝なかったろ？」

一旦離れた彼は大きく手を広げる。

私はその腕の中に吸い込まれる。

彼の大きな背中に腕を回し、

胸に顔を埋める。

落ち着く彼の鼓動。でも…

少し早い鼓動。

『ほんと…いつも孝支に助けてもらうばかり…ごめん』

私がそう言うと、頭を撫でながら思い切り抱きしめる彼。

菅「当たり前だろ？Aは俺がいなきゃダメなんだから。な？」

そういう彼がホントに好きで

私はゆっくり頷いた。

『いつもありがとう』

彼の暖かい腕の中。

私はまたゆっくり瞼を閉じる。




彼女の寝息が聞こえてくる。

幼い頃から変わらない幼なじみ。

菅「こういう時に頼られると男は弱いんだよなぁ…」

そう呟く俺はゆっくりとベッドにAを寝かせる。

変わらぬ寝顔にキスを落とす。

出ていこうとするとそれを止めるかのように繋がれた手。

いつまで経っても甘えん坊な幼なじみに、改めて惚れた1日だった。

菅「仕方ない…俺も一緒に寝るべ…」

そのまま俺もベッドの横で瞼を閉じた。

繋がれた手は暖かいままだった。

ー作者からー→←☆夜久衛輔 【寝落ち通話】＊リクエストにあったので書かせていただきました！

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す