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「昨日、ひかるくんはあの曲のこと何も知らないって言われて期待していた分、かなり落ち込んだ。」
「でも、あのあとひかるくんの傘に一緒に入れてもらった時にひかるくんがこんなに近くにいることがとっても嬉しかった。その時に気づいたんだよ。別にあの子じゃなかったとしても俺はひかるくんのこと好きなんだって。」
「今までちょっと気になった子がいてもあの子のことが引っ掛かってちゃんと人を好きになるってことはなかった。だけど、ひかるくんと会って初めてちゃんとあの子と向き合えてあの記憶が良い思い出に昇華できた。」
「多分、ひかるくんを初めて見たときから好きだったんだよね。今はひかるくんと一緒にあの曲を歌ってみたいと思うし、ひかるくんの笑顔を守りたいって思う。」
「あの！」
思ったよりも大きな声が出てしまい静かな店内に俺の声が響いた
「ひかるって呼んでください。あの日みたいにひかるって呼んでほしいです。」
苦しかった
やぶさんの俺への気持ちが痛いほど伝わって
嬉しいはずなのにひかるくんと呼ばれるとどこか俺じゃない他の人のことを言っているみたいでたまらなくなった
やぶさんは少し驚いた顔をした後、頬をほんのりと赤く染めた
お酒の仕業かと思ったが多分違う
きっと照れてくれてるんだ
新しい一面を見れて嬉しいと呑気に考えていると
「ひかる、」
唐突に名前を呼ばれ今度は俺が照れる番だ
やぶさんの声は身体の奥底にまで染み渡るようにゆっくりと沈んでいく
照れるというよりももっと恥ずかしくてくすぐったくてその声だけで全てを支配される感覚になる
大して酒を飲んでもいないのに酔っているみたいにふわふわとしてくる
普通に喋っているときはそんなことはないのになんで名前を呼ばれた時だけこんなにも満たされた気持ちになるのか不思議だ
もう一回、
もう一回呼んでほしい
やぶさんを見ると少し首を傾げたがすぐに目尻を下げて笑顔になり
「ひかる、」
とまたあの声で呼んでくれた
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名無し84745号(プロフ) - まやさん» コメントありがとうございます。これからも楽しんでいただけると幸いです。 (2018年10月5日 20時) (
レス) id: 8ba8fca067 (このIDを非表示/違反報告)
まや(プロフ) - はじめまして。高木くんの別れ際の優しさと2人の交わす会話に切なくなりました。運命的なひかるくんとの出会いも、これからどうなっていくのか楽しみです！ (2018年10月4日 23時) (レス) id: 66cf309f23 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名無し84745号 | 作成日時：2018年9月24日 16時
