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一息ついてさらにたかきは続ける
そこに俺の言葉を挟む余地はない
「今まではやぶくんが漠然とその子を追いかけていたから耐えられていたけど、明確に一人の子に想いを寄せてるのを側で見てられるほど俺の心は強くない。」
そう言い切った後、たかきが顔を上げたため再び視線が重なる
久しぶりにまじまじと見たたかきの瞳は澄んでいてとても綺麗だ
「だから、やぶくんがこの部屋を出ていったら終わり。ごめんね、今まで強引にやぶくんの側にいて。」
「ちゃんとその子のこと見失わないようにするんだよ。やっと見つけたんだから。」
そう言ってたかきはまた笑った
こんなときまで笑わなくていいのに
俺にキツイ言葉投げ掛けてくれてもいいのに
むしろ、そうしてくれた方が俺にとってはありがたい
こいつは昔からとんだお人好しだ
「ごめん、たかき。ありがとう。」
これだけしか言葉が出てこなかった
これ以上言ったら言い訳がましくなりそうで、せっかく嫌な役をかって出てくれた、たかきの気持ちを考えると何も言えなかった
「ほら、靴履けたのなら早く行かないと。遅れるよ。」
明るい声を出して立ち上がるたかき
それにつられて中途半端になっていた靴紐を結び直した
玄関で突っ立っている俺の頭のてっぺんから足の爪先までじーっと見たたかきはにこりと笑った
「いってらっしゃい。」
いつも通りの声で
いつも通りのたかきで
いつもと同じ台詞を
でも、今日のこの言葉には違う意味も込められている
「いってきます。」
たかきの声に背中を押され俺は自分でドアを開けた
パタンと背後で閉まったドア
その向こうのたかきがどんな顔してるかなんて俺には分からない
ーたかきと終わった
いのおに送ったメッセージ
すぐに
ーあっそ。
返事が返ってきた
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名無し84745号(プロフ) - まやさん» コメントありがとうございます。これからも楽しんでいただけると幸いです。 (2018年10月5日 20時) (
レス) id: 8ba8fca067 (このIDを非表示/違反報告)
まや(プロフ) - はじめまして。高木くんの別れ際の優しさと2人の交わす会話に切なくなりました。運命的なひかるくんとの出会いも、これからどうなっていくのか楽しみです！ (2018年10月4日 23時) (レス) id: 66cf309f23 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名無し84745号 | 作成日時：2018年9月24日 16時
