ん？この人？僕のお母さん【降谷零/安室透】

14 カオス ページ17

勢いで、帰って来てしまったけど


滅多に表情を変えることない零君のあの傷ついた表情が忘れられない。傷付けるつもりはなかったのに、また悪い癖が出てしまった


「お！Aおかえり！！て降谷は？
お前と一緒に走ってくるって嬉しそうにして出てったけど一緒じゃないのか？」


『…あ、陣君。私また零君に酷いこと言った。』


「まぁた、ケンカか？なんでそうなったんだ。」


私は、陣君に零君に言ってしまったことを説明した
陣君は聞き上手だから下手な私の説明でもきちんと理解してくれる


「…んー、それは直ちに謝れ。降谷はお前に厳しいが、それは愛故にだ。ほら、よく言うだろ？
愛のムチってやつ？

しつこく聞いて来たのは、お前が心配だからだ
厳しいのはお前が大切だからだ

降谷は、お前の前ではツンケンしてるけど
実際はいつもお前のこと気にかけて心配してる」


『…そう、なんだ。』


「ほんとに、子供思いのお母さんっつうか
働いてる主婦の鏡とと言うか

まあ、要するに親バカってやつだな」


零君、そんなに私のこと心配してくれてるんだ
陣君やっぱりこう言う時やくに立つね



『へー、やっぱ零君はすごいよね。警察の仕事をしながら一人娘の世話をして完全なる働くママだね。』


「…お前らさっきから親バカだの働くママだの
まぁた降谷のことか？」


「お！萩原、今起きたのかよおっせーな。」


「久々の休みだからな、ゆーっくり寝たなー」


研二君が、まだ半分寝ぼけた顔で蹴伸びをする


『おはよう、研二君。』


「おはよう、A〜」


そう言いながら研二君は、寝ぼけてるのか私を人形でも抱くみたいにしてぎゅーと抱きしめた


『ちょっと、苦しいよ離せー陣君！たすけて！』


朝から、心臓に悪い

研二君といい陣君といい、零君の周りに集まる人たちはイケメンばかりだ。


「おい！萩原Aを離せ！！バカ！お母さんが来たらボコボコに…「ざんねん、もう手遅れだ」



『あ！…零君たすけて！』


「はーぎーわーらー！うちのAに何していやがる！！」


零君が研二君に言うと研二君は素早く、私から離れて零君からギャーギャーと逃げ回っている


研二君と零君は鬼ごっこして逆にいつも煩い陣君はソファで二人を呆れた目で見ている


『カオスって奴だこれ。』



そういえば、航君とヒロ君が見えないけど
あの二人は仕事かな？


そういえば、私零君に謝ろうとしてたのに


こんなにうるさかったら聞こえないかな


続く

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