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「大ちゃんはまだ戻れる」
「でも、どうやって戻れば……」
「大丈夫、そのうち声が聞こえてくるよ」
「声……？」
「俺の思いをお兄ちゃんに伝えて……？大ちゃんお願い」
涼介は真剣に俺にお願いしてきた
そんなふうにお願いされたら俺も嫌とは言えないから
「分かった、絶対涼介のお兄ちゃんに伝えるよ」
「ありがとう大ちゃん！」
涼介は笑顔だった
そして
『俺、大ちゃんと話せてよかった！ありがとう、さよなら！』
そう言って涼介は消えていった
「……声か……」
涼介は声が聞こえてくるって言ってたけど一体なんの声なのかそして、誰の声なのか
結局何もわからずじまいになってしまった
あれからどのくらい経ったのかなんて分からないけどどこかから声が聞こえた気がした
『大貴……大人の中にも腐ってない人はいるんだね……案外捨てたもんじゃないかもよ？この世の中も……』
知念……？
これ、知念の声だ……
すごく久しぶりに知念の声を聞いた
『飛び込むの』
そんな懐かしい言葉が聞こえてきた
これは俺が川に飛び込もうとした時知念が放った言葉だった
『なんでも何も通りすがっちゃっただけ』
『ひっどい顔』
知念が言うひどい顔、それは他の人とは違う意味を持ってた
でもこの時の俺はそれに気づかなかった
自分の顔のあざや傷に目をとられて自分自身の表情がどうなってるかなんて気にもしなかった
『はぁ？何それ、僕がお前の顔をどんなふうに見てるかなんて分かるわけないでしょ、人それぞれ見方は違うんだから』
人それぞれ見方は違う……
知念が教えてくれた
知念だけはちゃんと俺を見てくれた
『ムカつく……ちょっと着いてきて』
知念に手を引っ張られて連れてかれた時は何されるんだろうって……ビクビクしてた
けど、きっとその時から俺は無意識のうちに知念なら平気だって分かってたんだ
だから知念のことは怖いとは思わなかったんだ
俺は願った
知念の元に戻りたいと
身体が急に重くなった
眩しい、頭が痛い、身体が動かない
だけど、知念の声が俺の耳に直接聞こえる……
「…………僕達さ、虫と鳥で正反対なことだらけだけどさ……その分お互いの足りない部分埋めていけると思うんだ……」
「……そ、だね……」
俺は出しにくい声を知念に届くようにと絞り出した
知念は俺に気づくと涙を流した
そして俺は反対に自然と笑顔がこぼれた
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青空と虹(プロフ) - 蒼夜火さん» これからも頑張ってください！陰ながら応援してます！！ (2018年9月1日 21時) (
レス) id: 25896fb88b (このIDを非表示/違反報告)
蒼夜火(プロフ) - オムいちごさん» こんな自己満なお話で泣いてくださるなんて……！最後まで読んでくださっただけでも嬉しいのにコメントまで下さりありがとうございます！ (2018年9月1日 20時) (レス) id: 5e787acb31 (このIDを非表示/違反報告)
蒼夜火(プロフ) - 青空と虹さん» 初めまして！こんなお話を読んで下さった上に素敵な感想まで本当に嬉しいです！こんなに自己満足なお話を最後まで読んで下さりありがとうございました！ (2018年9月1日 20時) (レス) id: 5e787acb31 (このIDを非表示/違反報告)
オムいちご(プロフ) - 素敵なお話すぎて、ボロ泣きでした！（本当です。） (2018年9月1日 11時) (レス) id: 8044c5f081 (このIDを非表示/違反報告)
青空と虹(プロフ) - 初めまして。作品、読ませていただきました！とても考えさせられる、素敵な作品でした。次回作も楽しみにしています^^ (2018年9月1日 1時) (レス) id: 25896fb88b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼夜火 | 作成日時：2018年8月4日 12時
