恋なんて、もうしない (ページ3)

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名前を呼ばれた廉は、嬉しそうに微笑んだ

廉＿＿永瀬廉、私の好きな人。ツンデレだけど優しくて、いつもそばにいてくれた。あの日、までは…。

廉「久しぶりやな～！元気そうで良かったわ！」

廉はケラケラと笑う。

彼の笑顔を見た瞬間、ドクンッと音を鳴らす私の心臓。

かぁーと顔が熱くなる。

「久しぶりだね。廉はここで何してるの？」

なるべく平然を装って話すようにした。いや、でも廉の事だから、もう気付いてるかも知れないけど。

廉「これから仕事やねん。Aは？」

「私はこれから学校だよ」

私が言うと、慌て出す廉。

廉「学校やったら俺と話しとる時間ないやん！はよ行かな遅刻すんで！」

あぁ、優しいなぁ。なんて思ったり。

「大丈夫だよ～」

廉「大丈夫ちゃうねん。遅刻したらAの成績下がるやん！タダでさせ悪いのに」

図星。うぅ…と唸っていると、廉は私の手を優しく握り締め、歩き出した。

「えっ…？」

廉「しゃーないから駅まで送ったるわ」

「え、でも廉が遅刻しちゃう…」

廉「ええから。送らせて」

真面目な表情で見つめられ、何も言えなくなった。

廉、本当に辞めてよ。

そんな事されたら、また私は貴方に恋してしまう。

恋なんてしたくない。

お願いだから、いい加減に諦めて…。