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俺のお気に入りの曲だけが車内に流れる。弟たちの声が響かないのが少し寂しくて、紛らわす為に楽しくなれる曲を流した。
自分の車のハンドルを握るのっていつぶりだろう。もう半年は触ってないかな……うわ、そう考えるとちょっと怖くなってきたかも。
急にBGMが途絶えて、着信メロディが車内に響く。
『もしもし?』
「ハローA〜」
車内に響いたのは懐かしい声。この声は紛うことなく……
『キャシー! ハロー!』
「久しぶりね。今どこ?」
久しぶりに会えるって言うのにこの人はいつもそうだ。淡々としている。
『駅にあと十五分くらいで着くよ』
「分かった。南口でじっとしてるわ」
『そうしてて。おれ黒の車に乗ってるから』
「着いたらまた連絡して」
『おーけぃ』
たった短い通話だったけど俺はワクワクしていた。
あっという間に駅に着く。人はいつも通り忙しなく往来していた。みんな働いてるのに、俺は休みなんてちょっと罪悪感……
俺は駐車場に車を停めてから鞄をまさぐって、電話をする為にケータイを取り出した。
ワンコール未満で出た。
『キャシー?』
「A、今入ってきた黒の車?」
『そうそう。迎えに行こうか?』
「いいえ、大丈夫よ。すぐに向かうわ」
『うん、待ってる』
俺の憧れの人は今、どんな人になってるかな。変わらないかな。
遠くの方にそれらしき人物を見つけて、車を降りる。キャシーも俺の存在に気付いたらしく、手を上げた。
『キャシー!』
「A!」
俺たちは広い駐車場で力いっぱい抱きしめあった。そりゃもうぎゅーっと。その後、頬にキスもした。そうそうこれね。アメリカじゃいつもやってた。
初めて会ったホビにキスした時、めちゃくちゃ顔赤くしてたな。
「久しぶりねA、見ないうちにこんなにかっこよくなっちゃって」
『キャシーはずっと素敵なままだね』
「ヤダもう口まで達者」
キャシーとはたった五個しか年齢が変わらないのにずっと大人っぽく見える。やっぱり男女の差だろうか。
俺たちは歩きながら話をした。女性のエスコートなんて沢山してきたけど、やっぱり憧れの人だからちょっと緊張する。
『どうぞ』
「ありがとう」
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日紫喜(プロフ) - ひらたさん» わぁぁ……!! 嬉しいなあ! ありがとうございます! これからも頑張ります!!コメントありがとうございました!! (2021年1月1日 22時) (レス) id: c77b20293f (このIDを非表示/違反報告)
ひらた(プロフ) - メンバーたちとの絡みが天才です‥‥‥‥!!思わずコメントしてしまいました!!男主くんのキャラクターが好きで好きで・・・!頑張ってください、応援してます!! (2021年1月1日 2時) (レス) id: 8bff64fcc3 (このIDを非表示/違反報告)
日紫喜(プロフ) - ayameさん» うわわわご指摘ありがとうございます!有難いです……早いうちに言っていただいたおかげでほんとに助かりました!ありがとうございます!頑張ります! (2020年12月27日 23時) (レス) id: c77b20293f (このIDを非表示/違反報告)
ayame(プロフ) - コメント失礼します。韓国で男性が年上の男性を呼ぶ時は「ヒョン」で、女性が年上の男性を呼ぶ時が「オッパ」です!この小説とても好きで続きが楽しみです!頑張ってください (2020年12月27日 20時) (レス) id: cf318a3932 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:日紫喜 | 作成日時:2020年12月27日 0時