保育士と刑事の恋物語【松田陣平】

❀ 28話 ページ29

あっという間に会計が終わり袋を手にした陣平が戻ってくる。

『…本当にいいの？』
「いいつってんだろ」
『ありがとう、陣平くん』

(私も何か、買って陣平くんにあげたい……)


「A、何してんだ？ 置いてっちまうぞ」
『まって！』



Aの洋服を買ったあと、2人は色んなお店を見て回った。

『あ、陣平くん最後にココ寄ってもいい？』
「おう。」
『煙草、吸ってきてもいいよ！』
「あー…じゃあ吸ってくるわ。すぐ戻るからここにいろよ」
『うん！』


(よし！ 陣平くんが行っているうちに…なにかプレゼント買おう)

『どれがいいのかな……』
「彼氏さんへのプレゼントですか？」
『あ、はい…！』

迷っていたAに女性の店員さんが声をかける。

『お揃いのが欲しいなって……』
「でしたら、腕時計なんてどうですか？」
『いいですね！ 見てもいいですか？』
「もちろんです。今お持ち致しますね」


(確かに、腕時計ならいつも身につけられるし、仕事でも使える。)

「お待たせしました。こちらになります」

男性は、シンプルに黒を基調にした腕時計。
女性はピンクの腕時計。

どっちともシンプルだが、仕事上これにピッタリな物はないと思った。
陣平が身につけているのを想像したAは


『これ2つとも買います』
「ありがとうございます！」

即決した。






陣平にバレないようにと、リュックに入れる。
お店の外には陣平が待っていた。


『お待たせ！ ごめんね、遅くなっちゃって…』
「いやそんな待ってねーから。欲しいの買えたか？」
『うん！ 買えた！』


モールから出た時には既に外は真っ暗。
車で来るんだったと、思いながら陣平は横にいるAに声をかける。


「寒くねーか？」
『大丈夫！ 今日は付き合ってくれてありがとう！ 』
「おう、また行こうぜ」
『うん！』

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