保育士と刑事の恋物語【松田陣平】

❀ 20話 ページ21

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『スーツここに置いておくね』
「おう」

食べ終わった2人は、支度にとりかかる。

陣平の方が早く出勤するため、洗濯してアイロンをかけたスーツをリビングにかけておく。


Aも準備を終わらせようと自室へ行き、部屋着から着替える。
軽くメイクを済ませて、髪の毛をハーフアップにして最後に下でポニーテールを作る。髪ゴムは赤いリボン。


『陣平くーん、そろそろ出る？』

リビングに戻ったAは陣平の名前を呼ぶが返事が帰ってこない。

『陣平くん？……あ』

ベランダで煙草を吸う陣平の姿。寒いのにわざわざ外に出て吸う姿を見てAはポツリと呟く。


『部屋の中で吸ってもいいのに……』

キッチンに行き、ご飯が冷めたのを確認しお弁当を風呂敷に包む。
吸い終わったのか陣平が中に入ってきた。
ジャケットを羽織りながら陣平はAに声をかける。

「んじゃそろそろ行くわ」
『あっ、待って陣平くん。お弁当、作ったからお昼にでも食べて』
「わざわざありがとうな」
『ううん、全然！行ってらっしゃい』
「おう、また来るわ」




そう言って陣平はAの頭を撫でてアパートを後にした。

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