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❀ 2話 ページ3

研修を明日に控えた、日曜日の夜。Aは真剣な表情で縫い物をしていた。
エプロンはピンク色。ポケットから顔を出すように兎のワッペンを縫い、大小の桜のワッペンはまるで舞っているかの様にいい感じで縫えている。


ブーッ、ブーッ

携帯のバイブ音が鳴っているのに気づき、手を止めて通話開始ボタンを押す。

『もしもし』
「今、平気か?」
『平気だよ』

チラ、と時計を見ると21時を指していた。
日曜日の夜21時。陣平はいつもこの時間に電話をかけている。

土曜日、日曜日、この2日間だけ携帯が返ってきて使えるらしい。
1週間ぶりの陣平の声に笑みがこぼれる。それから、陣平は今日あった出来事を話した。


伊達班長という人に彼女がいること、班長が剣道で10人抜きで鬼強だったことや、萩原と諸伏とバイク店に行ったこと、コンビニ強盗事件があり、それを警察学校の皆と解決した話など。

先週聞いた話も驚いたけど、今日の話はもっとだ。



『怪我、してないよね……?』

コンビニ強盗事件の話を聞いて、心臓がドクン、と音を立てた。


「おう。──大丈夫だ」

安心させるような声と、その言葉は、Aの不安を取り除くには十分だった。

緊張した身体はふっと、力が抜けるのを感じた。


『……でも、陣平くん、良かった。なんだか楽しそう』
「あ? そうか? まあハギも一緒だしそれなりには、な」


「おーい、陣平ちゃーんそろそろ点呼の時間ー」

「おー。……また電話するから」
『うん』
「A、──明日、頑張れよ」
『うん、頑張るね』


「えっ!? Aちゃん!?」と電話越しに聞こえてくる萩原の声にクスッと笑う。


「うっせーぞ、ハギ! じゃあな」
『うん、またね』


たった、30分しか話せなかったけど、Aにとっては幸せなことだった。
パタンと携帯を閉じて机に置いた。机の上にはエプロン。Aはワッペンがまだ途中だった事を思い出した。
慌てて抜い始めるも、ボーッとしては手が止まりの繰り返し。


『……会いたいな』


ポツリと、呟いた言葉は静まり返った部屋に響いた。

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まちゃ(プロフ) - lurinさん» コメントありがとうございます! ついつい私も書くのが楽しくなってしまって笑 ご心配ありがとうございます!( *˙˙*)♡ 無理のない程度で頑張ります! (2022年5月1日 22時) (レス) id: 65470c02c7 (このIDを非表示/違反報告)
lurin(プロフ) - 更新頻度が高くて嬉しいです!ですが、無理はなさらず、これからも頑張ってください!応援してます^ ^ (2022年5月1日 20時) (レス) @page12 id: 4b5ad4180e (このIDを非表示/違反報告)
まちゃ(プロフ) - ららさん» コメントありがとうございます! そう言ってもらえて嬉しいです( *˙˙*)♬︎♡ 頑張ります! (2022年4月30日 14時) (レス) id: 65470c02c7 (このIDを非表示/違反報告)
らら - うわぁぁぁ...すごい気になる続きが...!!めっちゃ応援してます!!頑張ってください (2022年4月29日 8時) (レス) @page4 id: 72f8657db1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まちゃ | 作成日時:2022年4月28日 21時

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