❀ 11話 ページ12
「みんな〜、連絡帳出して、はなちゃん先生に渡してね!」
「「はーいっ」」
次々に渡される、連絡帳。連絡帳ボックスと書かれた箱に入れる。
メグ先生は、パンパン、と2回手を叩き子供たちの注目をこちらに向かせる。
「今日は、みんなでお絵描きをしま〜す! 画用紙とクレヨンを取りにきてね」
子供たち達は、順番に並びAから受け取ると自席に戻り、自由に描き始める。
午後15時30分。遊び疲れて眠ってしまった子供たちを起こさないようにAは静かに見て歩く。
(ふふ、ぐっすり…)
「はなちゃん先生〜」と小声で呼ばれ、メグ先生の所へ向かう。メグ先生の手元には連絡帳。
「小声で申し訳ないのですが、教えますね」
『はい』
メグ先生は、つばきくんの連絡帳を手に取り、白紙の紙に今日の日付を書いていく。
「お昼の体温、どのくらいご飯を食べたか。何をして遊んだか、寝る時間の長さ、など簡単に書いていきます」
Aは箇条書きでメモに書き進めていく。
「今日は、私が書いていくので、はなちゃん先生には次から数人の連絡帳をお願いします。不安なことがあったら何でも聞いてください」
にこっとメグ先生は安心させるかのように笑みを見せ、連絡帳を書いていく。
「…ふぇ…、うわぁーん…」
ねねの泣く声が静まり返った部屋に響き渡る。
メグ先生は手を止めて、ねねに歩み寄る。Aも後に続いた。
「ねねちゃーん? どうしたの?」
「ぐすっ、こ、わっ…こわいゆめ、みたぁ…」
大粒の涙を流し、メグ先生に抱きつくねね。
そんなねねを安心させるように、優しく頭を撫でて
ポンポン、と2回背中を優しく叩く。
「そっかぁ、怖かったねぇ……メグ先生もはなちゃん先生もここにいるよ!」
メグ先生と目が合う。Aはねねのそばに行き
『ここにいるよ〜! ねねちゃん、大丈夫だよ〜』
小さな手を両手で包み込む。ねねちゃんの手が少し震えていた。
脳裏に、1人で泣いている自分の姿が思い浮かぶ。
『……メグ先生、ねねちゃんお借りしてもいいでしょうか?』
「え? いいですよ?」
『ありがとうございます。ねねちゃん、抱っこしてもいいかな?』
こくん、と頷くねねにAはゆっくりと抱き上げ自分の心臓の音に合わせるように背中を撫でたり優しく叩いたりしていく。
Aは、小さな声で子守唄を歌う。
「はなちゃん先生、…上手……」
それを10分ほど繰り返す。「すー…すー……」と、ねねの寝息が聞こえた。
(よかった……)
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まちゃ(プロフ) - lurinさん» コメントありがとうございます! ついつい私も書くのが楽しくなってしまって笑 ご心配ありがとうございます!( *˙˙*)♡ 無理のない程度で頑張ります! (2022年5月1日 22時) (レス) id: 65470c02c7 (このIDを非表示/違反報告)
lurin(プロフ) - 更新頻度が高くて嬉しいです!ですが、無理はなさらず、これからも頑張ってください!応援してます^ ^ (2022年5月1日 20時) (レス) @page12 id: 4b5ad4180e (このIDを非表示/違反報告)
まちゃ(プロフ) - ららさん» コメントありがとうございます! そう言ってもらえて嬉しいです( *˙˙*)♬︎♡ 頑張ります! (2022年4月30日 14時) (レス) id: 65470c02c7 (このIDを非表示/違反報告)
らら - うわぁぁぁ...すごい気になる続きが...!!めっちゃ応援してます!!頑張ってください (2022年4月29日 8時) (レス) @page4 id: 72f8657db1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まちゃ | 作成日時:2022年4月28日 21時