たまたま黒の組織の秘密を知った女子大生の話【名探偵コナン】

72話 ページ29

「和葉ぁ…もういいやろ、
もう俺もくど、…コナンくんもくたくたや」


「あ、あはは」



そう言う二人の少年。
二人とも近くにあった椅子でずっと座ってただけじゃん！？
と睨みを利かすが気づいてもらえない。


あれから数時間、着せ替え人形にされた私。
女の子というのは厄介な生き物だと改めて思う。

断れないし、ぐいぐいくるし…



『も、もういい…？
え…？私の服は…？』


「？着てるじゃないですか！」


『いやこれ試着』



お父さんが払ってくれましたよ！
と恐ろしい爆弾を投下された。

状況から察するに、お金だけ払って毛利のおじさんは逃げたっぽい。
試着だけ、と身につけたこの服。

嫌いではないが、あまりにも女性らしくてそわそわする。



『も、もしかして…今日一日これ…？』


「わ、私が選んだ服…気に入りませんか？」


「うちら、ものすんごい時間かけて選んだんよ…？」



そう縋り付く二人の目は、うるうるしていた。



『うぅぅぅう…！！！
可愛いからよし！！』



ちょろいねーちゃんやなぁ、と
服部くんの声が聞こえた気がしたが放っておこう。

だって二人ともがわぃいっ！！！

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