恋する猫の物語<短編> (ページ3)

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猫のにー<3> ページ3

目が覚めた。

私は人間の女の子になっていた。

「わぁ…。あたし人間になってるわ」

「ほら、急ぎなさい。これが涼君の好物です。」

「いや！あたし、直接じゃないと…。」

あたしは睨み付けて言う。だって直接じゃないと納得いかない。

「…あなたの目、意思が宿っていますね。今回は特別に召喚しましょう」

「あ、ありがとう！」

巨大なサークルができる。青白い、美しいサークルである。

その中心に、涼君が現れる。

「ん…？ここどこ…。」

「ごめんなさい。あたしが呼んだの。」

「…えっ？」

「ペットショップで肉の方がいいって言ってくれましたよね。あたし、嬉しかったです。だから人間になって、お礼を言いにきました。嘘じゃないですから」

「…ふーん。何かすげぇや」

「だからあなたの好物、ポテチです。あのときはありがとう！あ、信じなくてもいいです。渡せただけでいいから」

「…半信半疑だけど。ありがとう、にーちゃん」

…どうしよう、猫に戻りたくないわ。

「暇あったらペットショップ、来てください。あたし、涼君をもっと見ていたい」

と言った瞬間、体が透ける。

「ちょ、生きてる！？」

「…猫に戻るだけ。じゃあさよなら」

…ありがとう、涼君。ポテチ、喜んでくれたかな？

いつかまた。

会えるといいな。