ウネ物語⑤ (ページ42)

今日:12 hit、昨日:17 hit、合計:59,049 hit

② ページ42

「う、うん…」

目をキョロキョロさせる…するとマサはクスクスと笑う。

「な、何？」

MS「嘘が下手くそだなぁって…」

「っ！」

マサは楽しそうに笑っていた。昔、付き合いたての頃に見せていた…あどけない表情。

前までの彼とは似つかないくらい…ステキな人になっていた。

MS「…ごめんごめん…じゃあ、俺いくよ」

「う…うん」

マサは手を振って私とはちがう方向に向かっていた。

しばらく後ろ姿を見つめていた…

……変わったんだな…マサも

なんだろう

…少し安心したけど、複雑だった。

私が…マサの人生を狂わせてしまった気がして…

心が痛んでいたけど…

今は…幸せな暮らしをしているんだな…

.

.

.

DH「A、今何してるの？」

「今？今は仕事終わって…ホテルにいるよ」

部屋に戻ったと同時に、ドンヘからの電話。

彼の久し振りの声に自然と笑みがこぼれた。

DH「そっかぁ、、」

「ドンヘは仕事中？」

DH「うん。イベントで今からステージに立つんだよ。」

「ふふ。楽しみだね」

DH「うん。あ！明日さ、D&Eで日本でライブするんだ！Aに来て欲しい！」

……え…日本で？しかも明日？過密すぎない？スケジュール…

体調、大丈夫なのかな…

DH「夜20時くらいなんだけど…」

「…あー多分明日は仕事早く終わるから大丈夫だよ」

DH「ほんと？なら来て！場所はまた送る！」

子供みたいに笑って話すドンヘの顔が浮かぶ…
中々会えなかったし…きっと嬉しいんだろうな。

「うん。わかった。楽しみにしてるね？」

DH「俺も楽しみにしてる！」

心が温まる気持ちで…私は電話を切った。

「……」

窓に目をやると、雨が降り出していた

ふと、マサの顔が頭に浮かぶ

あの時のマサは…私が付き合った頃の彼だった

夢を見て前向きに生きる。キラキラした目…

さっきも…そんな目をしてた…

………人間て、あそこまで変われちゃうんだ。

きっと…今…幸せに暮らしてるんだろうな…

でも…よかった。

ちょっと安心した。

「…寝よ」

明日も早いし……

疲れた体を引きずって、ベッドに倒れた瞬間、私は眠りについた。