ウネ物語⑤ (ページ30)

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記憶に残るページ30

YN「…………本当は…私だって…こんな事したくなかった…」

DH「………」

YN「…………………でも、やっぱり止められなかった…。あの人が……憎かった…。私がこんなにも苦しんでるのに…なんで、この人は幸せなんだろうって。…理不尽な理由で……傷つけてしまった。」

DH「………」

YN「…………もう、後戻りできなかったの…」

ガタガタと震えだす身体…

腕を見れば…傷だらけの手首が目に入った

DH「………ユナ…もう、やめないか？こんなことしてたら、失うものが増えるだけだ。誰だって人を憎む。でも、いつかそれが自分に返ってくるんだよ。
俺が言うのも……なんだけど……君には笑っててほしい。君には幸せに…生きてほしいんだ。」

YN「……っぅ………」

DH「…………君を愛した日々を無駄にしたくはない。」

YN「…………オッパ」

………………だから………

自分のために生きてほしい。

君には……幸せになってほしい。

……もう、

誰も

君を責めたりはしないから。。

………大丈夫だよ…ユナ………

ぽん…と頭をなでれば…彼女は…

ごめんなさい…

そう一言つぶやいて、泣きながら部屋から出て行った。

DH「……」

…あの頃の…無邪気な彼女が脳裏に浮かぶ

また、普通の女の子に…戻って欲しい

「……ドンへ」

Aが…小さく俺を呼ぶ。

DH「……A」

「………っ」

DH「………ごめんね？」

……長い間、Aと離れ離れになっていた…

そんな気分だった…………

俺のA……やっと…思い出せた

DH「………A…会いたかった……」

Aをぎゅっと抱きしめて情けないくらい涙が溢れた…。

「……ドンヘっ思い出してくれたの？」

Aの震える声が耳元で聞こえる。

……Aが…そばにいるんだ……

俺の腕の中に……いるんだ……

DH「思い出したよ……全部………」

「……よかった…よかった…私も会いたかった…よ…」

キュ…と震えた手が、背中を掴む。

Aの鼓動が伝わって…

Aの香りが俺を落ち着かせる。

…離したくなかった…

DH「…………A……

愛してるよ……」

…………神様…………

もう……

俺たちをバラバラにしないでください。