ウネ物語⑤ (ページ21)

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絶望ページ21

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「検査した結果、脳には異常は見当たりません。
原因はわかりませんが、、おそらく一時的に記憶が飛んでしまってるかも知れません。何かきっかけになって、また思い出すでしょう。」

別室で、彼の症状を担当医に相談したけど、先生は淡々と説明するだけで、処置する方法はないと言った。

私は絶望でしかなかった。

愛する人が、私との関係を

忘れてしまったこと。

ユナを…彼女だと思っていること。

それ以外のことはちゃんと記憶があるのに、
何故か、私の事だけかき消されていた。

…ユナは…一体どうやって…

ヒョクは複雑な表情で私を見た。

ヒチョルさんは明らかにイライラしていて
落ち着きがない。

医師の説明が終わると、
ドンヘの部屋に戻る。

「……ドンへ、面会時間終わりだから帰るね。」

DH「あ、もうそんな時間か…」

ドンへは少し寂しそうな顔をする。

DH「………ねぇ、結局ユナは家にいるの？」

その言葉に私は固まった。

彼は不思議そうに私を見て、

何か知ってるの？と聞いてくる。

EH「…………ユナは仕事で来れないってさ。

だから代わりに俺たちが来たんだよ。」

何も言えない私を見かねて、ヒョクは引きつった笑顔で彼にそう言った。

DH「……そっか。なら、、仕方ないね。」

シュン…と落ち込む彼の顔が
胸に突き刺さる。

EH「…じゃあ俺たち行くわ。

また来るから！早くよくなれよ！」

DH「うん、ありがとう。」

私の肩を支えるようにヒョクは抱きしめ、

部屋を後にした。

ヒチョルさんは待合室で、私たちを待ってくれていた。

HC「…A、、大丈夫か？」

心配そうに私の顔色を伺う。

「………大丈夫です。」

HC「…大丈夫そうには見えねーけど。………ヒョク、今日はAのそばにいてやれ。」

EH「……うん、そのつもりだよ。」

震える手で私ををぎゅっと抱きしめる。

……ドンへを守る為にも私がしっかりしなきゃ………。

でも、、この先どうすればいいのか
わからない。

彼は……私を思い出してくれるの？