悪夢 ページ19
仕事が終わり、余韻がとれないまま、家に戻った
「ただいま」
力のない声…
靴を脱ごうと足元を見た瞬間、殺気がした。
ふと顔を上げると…マサが鬼のような顔で立っている。
「…マサ」
パンっ…と、玄関に響くくらいすごい音…
気づいた時には、私は倒れていた
…え？
ガッと私のお腹を踏みつける
訳がわからない…
「…っま」
「…あの男…誰だ」
「…？」
「カフェにいた男だよ」
「……！」
…カフェにいた男…ドンへさんの事だ
なんでマサが知ってるの？まさか…監視してた？
「…あ、あれは…常連の人で…」
「…ふーん…常連でイケメンだからあんな顔あからめてたんだ」
「ち、ちがうっ」
「惚れてんだろ？」
「!?」
「あいつが好きなんだろ」
「ち、ちがうよ！お客さんだよっ？そんな事…なぃっっ！」
ギリギリお腹を踏みつける彼…
苦しい…
「っマサ…やめっ」
「……今の仕事やめろ」
「っ……なっなんで」
「…俺が辞めさせてやる」
「っぐ…」
また、マサは…私に手を出してきた…
お腹を蹴られて…壁に頭をぶつける
あぁ、頭がボーっとする
私は…逃げられないまま…
この地獄の時間が終わるのを…ただ待ち続けた
殴られてる間…
かすかに…ドンへさんと、ヒョクチェさんの顔が浮かんだ…
"幸せになれて良かったね"
"女の子は、男にまもられて幸せになるんだよ…。たまには助け合ってさ"
"…Aの顔が、前よりも幸せそうだし、安心した"
ドンへさん…
"A…俺たちの立場を考えてくれるのは有り難いけど…君の話を聞いたら、俺たちだって放っておけないよ"
ヒョクチェさん…
ごめんなさい…ごめんなさい…
「っ…ごめんなさいっ」
「っ！なに言ってんだ今更っ」
ガシッと髪を掴まれ、せっかくキレイになったセットも、無茶苦茶になる。
視界が…血でいっぱいになる…
また…ブサイクになっちゃうなぁ
きっと…私が外に出れないように殴るんでしょ？
不思議と…痛みなんてなくて
冷静にその状況を見ていた
わたしには…帰るところが…できたからかな？
やっぱり…ダメだったよ…
幸せになんて…なれない…ごめんなさい
ドンへさん……
DH「……」
EH「…？ドンへ？」
DH「……？」
EH「…どーした？」
DH「いや、何でもない」
EH「？？」
DH「……」
…なんか…胸騒ぎがする…
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作者名：yu | 作成日時：2019年2月23日 21時
