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一颯くんは、そうか、とだけ言って廊下へ出ていってしまった

一人になった私は、自分の席に座り直してボーッとすることにした

廊下では一颯くんが怒鳴っていた

ぞろぞろと皆が戻ってくる

一人だけ冷静で、座っている私を見て、皆が疑いの目を向けてきた

「ねぇ、あんた」

この人も例外ではないようだ

『…なに?水越さん』

水越涼音

このクラスの一軍みたいな位置に君臨している女子生徒

「あんたなんでそんなに冷静でいられるわけ?」

机に手を付き、睨んでくる

「こうなること知ってたの?」

声から不機嫌であることが伝わってくる

黙ったままの私にしびれを切らした彼女は、よりいっそう大きな声で

「聞いてんの!?」

と言いながら胸ぐらを掴んできた

『…知らなかったよ』

「じゃあなんでそんなに落ち着いてられんのよ!!!!」

『そんなやって慌てて、怖がって、正しい判断が出来ないようになることの方が無駄だと思うから』

淡々と言葉を紡ぐ私を見ていた一颯くんは、水越さんの手を掴み

「水越、Aから手を離そうか」

有無を言わさない声色でそう言った

さっきの爆発を目の当たりにしていた彼女は、逆らう勇気もなく、大人しく離した

『ありがとう一颯くん』

「だから先生な?」

そんなことを言っても私は聞かないと分かっているくせにずっと言い続けてる

『気が向いたらそう呼ぶよ』

水越さんのせいで乱れたネクタイを直しながら返事をした

「これってドッキリだよね?」

誰かが言った

まだ信じられていないのか

ドッキリでここまでするわけが無いだろう

「もちろん、リアルだ」

ニヤリと口角を上げて言い放った

「ちなみに、この学校にはさっきみたいな爆弾が至る所に仕掛けられている」

「この教室にもですか?」

その質問に先生は

「1.2.3」

そう呟きながら指をさす

教室の空気はどんどん一颯くんのペースに飲み込まれて行った

「わかったら席につこうか」

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サク - 頑張ってください! (2022年2月22日 18時) (レス) @page13 id: c112a49bc5 (このIDを非表示/違反報告)
蒼炎 - とても面白いです!更新待ってます! (2020年1月24日 20時) (レス) id: 874e279780 (このIDを非表示/違反報告)
人形師(プロフ) - 凄く面白いです!応援します!! (2019年6月26日 10時) (レス) id: 05191dc1a4 (このIDを非表示/違反報告)
かれーこ - とても面白いです!更新頑張ってください! (2019年4月10日 23時) (レス) id: 6209d012cf (このIDを非表示/違反報告)
ayu - 毎日更新楽しみです!応援してます! (2019年3月22日 16時) (レス) id: e1359604fe (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ハノル | 作成日時:2019年3月17日 16時

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