泡を吐き出し、そして謳え【柊一颯】

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そうだ、先生達にも状況伝えといた方がいいか

『水鏡使うか…』

紙を飛ばしてもいいんだけど気付かれそうだからね

トイレの便器の水…しか無いか…

水道に貯めたら…

？《バレると思うぞ》

突然頭に響く男の声

『…ノエ』

《トイレの出入口に結界を張って誤魔化したらいいかもしれないけど、お前の場合、それしたら身体が持たねぇし》

ノエ、という名の私の使い魔

『だよね』

トイレの個室に入る

ネックレスチェーンから指輪を取ってはめる

そして一言

〔僕を視ているものの時間を止めろ〕

手を天井にかざす

『………さってと』

監視カメラは今頃画面がフリーズ状態になっている事だろう

入った時の違和感を信じて魔法を使ったけど、本当に監視カメラあるのかね

『まぁ、いいや』

水に手をかざし、目を閉じる

深く呼吸をして手に集中する

〔澄め、澄め、それはどこかが見えるように
淀め、淀め、まるで誰にも見せないように〕

唱えてからゆっくりと目を開ける

そこには

『あ、良かった良かった。ちゃんと繋がった。久しぶり、智世』

水に写っているのは、私ではなく、赤い髪が印象的な少女

〈え、え、なんで？どうしたの？〉

『いやぁ、ちょっと困ったことになってさぁ』

彼女に話してもいいけど、長くなるからあの人にも聞かせた方がいいな

『先生のこと呼んできてくれない？』

〈わかった。ちょっと待っててね〉

パタパタと足音を立ててどこかへ行った

先生、と私が唯一呼んでいる人のことを呼びに行ったのだ

否、"人"と言っていいものか悪いものか…

《ありゃ人じゃねぇだろ》

『人だったらびっくりだね』

しばらく待っていると、再び智世が戻ってきた

彼を連れて

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