不器用ですか、小瀧くん。 (ページ10)

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なんか、いつの間にか綺麗な草原…悪くいえば雑草畑の中に私とのんちゃんが立ってる。

のんちゃんは私に気が付くと優しく微笑んで「おいで」と私の手を引いてどこかへ歩いていく。

ふ、と気になって後ろを見ると大きな大きな川があった。向こう岸には見たことある気がする男の人がいたけど、よく見えないからまた前を向いた。

すると眩しい光に照らされて咄嗟に目を瞑る。

目をゆっくり開けると…

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「あれ、」

どうやら夢だったようで、ぼんやり見たことない天井を眺める。薬の香りがするしベッドという事は保健室かな。

左手があったかくてそちらを向くとのんちゃんが私の手を握ってうとうと椅子に座って眠っていた。夢の原因かな？

左手をバシバシ、と上下に動かすとハッとした顔で目が開いた。

小瀧「A！？起きてる！！！！！」

「おはよ〜もしかして私倒れたぁ？」

小瀧「もしかしてもなにもそうや！めちゃくちゃ心配したんやからな！」

「へへ、運んできてくれたって事かありがとう」

素直に気持ちを伝えると、のんちゃんは顔を真っ赤にして勢いよく立ち上がる。なんだこのおにぎりシャイボーイは。

なんだかんだあって教室に戻り、しげが心配して駆けつけてきた時に夢の話をしたら「…それ、三途の川ちゃうん」とどんびかれた。

眼鏡女子ちゃんは申し訳なさそうにしてお礼を言いに来た。全然気にしなくて良いのに。

それをみたクラスの女子達はなにやら盛り上がり、「Aパイセン！」「マジカッコよかった！」となんだかモテモテ状態。マジ照れる。

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月日は少し飛びただ今LHR、体育祭についてのお話。

体育祭実行委員のしげが前に出て話を始めた。

重岡「今年の体育祭のテーマは『青春のかたまり』！今年は更に色んな競技があるんやけど、今日は皆それぞれ必ず一個出てもらう競技を誰がどれに出るか決めようと思う！」

女子委員「黒板に競技書いていくから皆は何でたいか考えといてな！」

黒板に可愛らしい字で競技名が沢山書かれて行く。

去年もそうやけど、私はいつも無難な競技しか出ない。借り物競争で今年も決まりやな！

中間「今年は去年と同じ競技に加えて生徒の希望に応えて青春を感じられる様な競技が増えてるからな」

桐山「ええなぁ、青春ええなぁ…」

重岡「照史！先生も出れる競技あるで！」

桐山「マジ！？出る出る！！！！！」

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