不器用ですか、小瀧くん。 (ページ4)

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重岡「よっしゃー！この後二人とも暇！？暇やんな！？」

「え？まぁ、暇やけど…」

重岡「じゃあ新学期を記念してファミレス行こーぜぃ！勿論あの二人も誘って！！！！！」

始業式の次の時間に色々配布物が渡されて、淳太の長〜いお話を聞かされてチャイムが鳴ってようやく解放された途端のことだった。

さよーならー、と皆で挨拶し終わった瞬間、隣のしげがいきなり叫び出したのだ。

Aはぽかん、としながらしげを見つめてる。

重岡「なんだかんだAちゃんとはほぼ初めましてやんか？親睦会としてこの後お昼ファミレスで食わへん？お金無かったら出すし！」

*「えー！行きたい！お金持ってるし行きたい！…でもええのー？いつも四人組やん。私いきなり入ってええの？？？」

「…ええよ、今までたまたま機会が無かっただけやろ。多分二人も喜ぶと思うで」

何となくそれっぽい言葉を紡ぎ合わせる。

普段しげみたく阿呆みたいに五月蝿くはしゃぐAやけど、どこか人と線を引きがちというか…時折こうやって寂しそうな顔して戸惑った様子をみせる。

どれがホンマのAなんか掴めずにいる。

俺の言葉にしげもうんうん、と頷いて「そういうことや！」と言う。そこでやっとAの顔が明るくなる。

*「じゃあ行くー！えー、寄り道してご飯食べるとか人生初めてやわあ…楽しみ！」

「…！せや、な…」

────去年、学校では俺はAとずっと行動していたのだが、登下校とかはしげ達と行動していた。

…正直に言ってしまうと、Aとしげ達を合わせたくなかったんやと思う。何でかは俺自身もよくわからへんねんけど、兎に角一緒にしたくなかった。

だから学校が終わると「じゃあなー」と手を振って俺はいつものグループに混じって帰った。

いつも、そのあと一人やったんや。

こんな事正直にAに言う気にもならんくて、「よっしゃ行くでー！」とはしゃいで廊下に出たしげとAを黙って追いかける。

ちょっと、罪悪感に心が痛い。

▽

神山「…阿呆なん？」

重岡「しゃあないやん…ドリンクバーってなんかテンション上がるねんもん…うぷ…」

*「まさかアイス食べ放題って思わへんかってんもん…いててて…」

ファミレスの帰り、時刻は早いことにもう夕方五時。

阿呆二人がグロッキー状態に。

なぜこんな事になったのか…

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