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目を覚まして真っ先に昨日の事を思い出す。

部屋中を見回しても勿論誰も居なくてワンチャン夢だったんじゃないのか、と思い始める。

昨日は何にも無かった!

そう思ってみるものの、青い薔薇が窓際で花瓶代わりのコップに刺さっているのを見て「あ、現実やな」と思った。もはや悟った。


今日は仕事も無いし、わざわざ中間さんに会いにいく気にもなれなくて今日はもう引きこもる事にした。

話は今度のランチの時にしよう。



「…ん?電話…誰やねん…あ、のんちゃんか」



携帯の液晶が突然ついて音が鳴る。その液晶を見ればのんちゃんという文字とアイコンである私との自撮り写真。

まぁただの友人なのだが。



「もしもし」

小瀧「やっぴ〜Aたん♡」

「その呼び方やめろ。で、用件は?」

小瀧「今日仕事あるん?無かったらでええんやけど店に来て欲しいねんよ〜」



のんちゃんは仕事場周辺の少し隠れた場所にとある先輩とカフェを開いている。

ひっそりとしてて落ち着ける上にかっこいい店員さんがいる、とどこかで噂になってそこそこ賑わってるそうな。



「ん、今日は無いよ」

小瀧「よかった!実は新作メニューを皆で考えててさぁ、味見して欲しいねん!」

「それなら大歓迎。美味しいの用意しててな」

小瀧「任せて♡」



しばらくしてから電話が切れて、そこからようやくベッドから降りる。

たまにこうして新作メニューの味見を手伝って意見を出したりしている。

いつも美味しいからダメだしするところが無いのがいつもの悩みどころ。


集合は十一時。

十時過ぎには家を出たいから…

計算しながら顔を洗ったり歯を磨いたり身支度を済ませる。



「朝ごはんは…食パンだけでいいや」



そう言って焼かずに口に入れる。

出来るだけ舌を濃い味で刺激したくない。





.

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作者名:芥川 たぅ@カツアゲの人 | 作成日時:2020年1月12日 3時

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