ヤバいですよ、藤井さん。 (ページ17)

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小瀧「ん～、お姉ちゃん…」

「お姉ちゃんじゃない」

中間「ん、そろそろお開きにしよか。村上さんお会計お願いします」

村上「はいよ～！」

閉店時間はとうに過ぎたにも関わらず、皆ニコニコして最終的には一緒に飲み始めた店員三人。

のんちゃんに至っては右隣に座ってる濵ちゃんの逆に椅子を置いては抱きついてきて私の頬に顔をすりすりと寄せてくる。

小瀧「嫌や～、もう帰ってまうん～？」

「そりゃあね。長居しちゃったら村上さん達に迷惑かかるしのんちゃんも帰られへんよ」

小瀧「Aちゃんとおれるならええの！俺、今日Aちゃんお持ち帰りする！」

「お断りでーす」

グラスに入った水を飲み干して立ち上がる。そして上着を椅子の背もたれから取って羽織る。

会計が済んだ用で他の三人も上着を羽織ったりトイレに行ったりし始めた。

大倉さんは大きな欠伸をしながらお皿を厨房へ運んで行った。

「のんちゃん、大倉さんだけにお皿運びやらしてたらアカンやん。ほら、行っといで」

小瀧「嫌や～！行ったら帰ってまう！」

「そりゃ帰るよ」

小瀧「じゃあ運ばへん！」

酒が入ってるせいかいつもに増してウザ…ゴホンゴホン、甘えん坊になってしまっている。

これじゃあ大倉さんと村上さんに迷惑かかってしまう…

「また今度来るやんか…そん時まで何話したいかとか、何したいかとか考えといて？」

小瀧「…！うん！じゃあな、Aちゃん♡」

村上「すごいな…あの小瀧を使いこなしてる…」

「それじゃあご馳走様でした。おやすみなさい」

村上「ん、ほなな～！」

厨房からおやすみー！と聞こえてきたけどスルーして外に出る。

外はとっくに真っ暗で、一番先に出ていた桐山さんの可愛らしい口からは濃く真っ白な吐息が溶け出していた。

「皆さんご馳走様でした。その…ホンマにありがとうございます。次こそ絶対賞とります！とってみせます！」

中間「ん、その眼差しならいけるよ」

桐山「期待してんで！」

濵田「Aなら大丈夫やで！」

優しさがやけに沁みてじんわりと視界が歪む。

目からあたたかい雫がぽろぽろとこぼれ出しては止まってくれない。

桐山「も～！どないしたんよ～！いけるいける、大丈夫やって～！」

「すみませ…なんか止まらへんくて、」

濵田「Aはデリケートやなぁ。よしよし」

頭を優しく撫でられて涙は余計にこぼれてしまう。

あー、優しさってこんなに沁みるんやなぁ…

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