ヤバいですよ、藤井さん。 (ページ2)

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「んじゃ、お先に失礼します～」

桐山「あ～い！気を付けてね～！」

同じフロアで仕事してる中で一番偉いのは桐山さんで所謂リーダー的な存在。

中間さんは次期社長と言われている。

桐山さんも素敵な人でなんせ笑顔が眩しい。そしてフレンドリーで人から好かれる明るい性格。

素敵な仕事場ですよ、ホント。

夜道、会社を出て暫くは都会の街並みが続いて人が多いが、少し離れて住宅地に入り出すと一気に人が少なくなる。

いつも散歩がてら一人で歩いて来てる。

昼ご飯はガッツリ食べたし、晩御飯は質素にコンビニのおにぎりで済ましちゃお。

そう思って丁度見えてきたコンビニに入って鮭おにぎりを一つ買う。

出る時にちら、と見えた雑誌の表紙は可愛い女の子モデルで、The文系の私とは真逆の輝きを持っていた。

あー、美人小説家だったら売れたかな。

なんて呑気に考えてるうちに家である薄い水色のアパートが見えてきた。

そこの二階の外から見て一番左が私の部屋。

「ふぅ…あれ？歯医者の定期検診かな」

癖でドアの横にあるポストに手を入れると紙が一枚入っていた。

取り出すとうっすい水色の封筒で、封の反対側には男の人の文字で『雪村Aさんへ』と書かれていた。

住所が書いていない事から直接入れた事が分かる。

取り敢えず中に入ってのんびり読む事にした。

まず風呂に入るけど。

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『雪村Aさんへ

最近秋も終わりかけてきましたね。季節の変わり目は体調を崩しやすいのでお気をつけて下さい。

本題に入りますが、突然で申し訳ございませんあなたの事が好きです。

一目惚れです。本当にこの世に一目惚れがあるんだな、と驚く程綺麗な一目惚れでした。

いつかあなたと話せる日が来たら嬉しいです』

なんともいきなりなラブレター。

所々文字を間違えたのか黒いぐちゃぐちゃが多数見受けられた。

一目惚れかあ…この辺の人なんかな。

こんな経験無くてすごい胸がときめいてる。大好きな鮭おにぎりでさえ霞んでしまうくらい。

でも、残念な事に電話番号も住所も名前ですら書かれていない為連絡手段が無い。

おっちょこちょいなんかな、この人。

でも好きだなんてこの人生で言われたこと無くて胸がまだ強く高鳴る。

またラブレターっていうのが良いよね！青春っぽくてさ！照れながら投函してくれたんかなぁ！

あー！堪んねぇな！おにぎり食べよ！

まさかこの手紙が地獄の始まりだったとは、私は分からなかった────

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