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重岡「あ!そういや名前聞いてなかったな!まずは俺から!俺は重岡 大毅!皆にはしげって呼ばれてるからしげって呼んでな!」
「村上 Aです。Aでもなんでも呼んで下さい。…ちなみになんですけど、帰れる目処とかたってるんですか?」
重岡「…ごめん、全然たってない。そもそもどうやったら戻れるんかとか全く分かってへんねん。そこ教えてくれてへんねんなぁ…
あ、あとそんな堅苦しくせんといて!これからもお世話になるし、フレンドリーにいこや!敬語なんか外して!」
「お、おん…」
お世話になるつもりなんや…でもなんか可哀想やし、今更追い出すのは無責任やんなぁ。捨て犬ならぬ捨て天使。
重岡「お風呂入っといでや!お皿なら俺があろとくから!…普段滅多にやらんねんけども。お世話になる代わりに俺が家事全部するわ!
これから俺もステップアップや!あ、これ俺の友達がよく言うてる言葉やわ」
「ステップアップ…友達にもそんな事言う子おるわ」
重岡「あはは!運命感じまくり!」
────
「寝るのはこのベット使って。お兄ちゃんのやけど滅多に使えへんから」
私の部屋の隣にあるお兄ちゃんのベットだけ置かれているシンプルな部屋。服もそこに片付けてある。
重岡「そういやお兄さん帰ってきてへんなぁ、出張とか?夜遅くの仕事?」
「ううん、お兄ちゃん芸能人やから忙しいのと、普段は東京に住んでんの。たまにこの家来るだけであんまり泊まっていかへんねん」
重岡「へぇ…でもAってまだ十七歳やろ?一人暮らし寂しくないん?」
「…そりゃあ多少なり寂しいけど、甘えるのは迷惑になるから。お兄ちゃん忙しいし…」
私と違って偉いし、人気者で忙しいお兄ちゃんにこれ以上迷惑なんてかけてられない。だから最低限の我慢くらいしなきゃ。
俯いていると、突然しげの手が頭に乗る。そして優しく撫でられる。
「…え、」
重岡「一人って、寂しいよ。俺未だに寂しいなって感じる時あるし、ここに来てからずっと心細かったもん。
だから我慢は良くない!これからは俺がAちゃんを甘えさしたるからな!ドンと来い!」
こうして、ニコニコ堕天使ちゃんのしげと私の不思議な同居が始まった────
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作者名:芥川 たぅ@カツアゲの人 | 作成日時:2019年12月8日 22時