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桐山「…良かったんか、淳太」
中間「…ホンマは嫌やった。こうなったのも、元はと言えば全て“俺の責任”やったから。なんとかしたかった。
…でも、神様は許してくれへんかった。これは俺への罰でもあるんかもしれへんな。」
濱田「…そない一人で背負い込まんといてぇや。皆も罪の意識はあるねんで？皆で背負おうや。」
中間「…うん、ありがとう」
────
ー何も知らない重岡ー
重岡「…ん、んぅ…薄暗い…花畑…じゃない…？」
身体はそこまで痛くなくて、地面もノーダメで人間には存在に気付かれていない。何やら路地裏っぽい所に落ちたみたいや。まだ天使としての力残ってたんかなぁ。
ここは何処やろう。重たい身体を起こしてコンクリートの壁に貼り付けられていた看板に書かれていた文字を読む。
重岡「ゴ ミ 捨 て 場…ゴミ捨て場ァ！？あんまりやで淳太ァ！！！！！」
無造作に捨てられたゴミの数々、そこらに散らばるポイ捨ての残骸、壁に書かれた落書き、路地裏の外から聞こえる汚らしい騒音。
全てが俺に突き刺さる。今まで無関係だと思って見下していた下界に今、包み込まれている事を理解したから。
地面が近くて感じる圧に息苦しさを感じる。そして寒い。確か冬の十二月。自分の口から白い吐息が出る。
どうしたら良いか分からんと取り敢えず外に出てみたけど天使パワーなのか誰にも姿を認識さへんかった。
これならばまず安心。人間の事やから天使を見つけたら何するか分からへんからな！
人が多過ぎて何をしたらいいか分からへん。タブレット端末も家に置いてきてしまったし何も持ってない。
持ってるのはもげた輪っかのみ。…お腹減った。焼き鳥食べたいなぁ。
重岡「…にしても、反省しろって言っても何をどうすればいいかイマイチ分からへんねんなあ」
少し心細いが、ネオンが光り輝く都会らしい街中を一人で歩く。騒音が耳を痛くする。
クリスマスが近いからかイルミネーションとかがガチャガチャとしていた。皆誰かと一緒に歩いてる…なんか、今の俺の立場を浮き彫りにされてる気分や。
途中、案内板を見つけて見てみると『難波』と書かれていた。
重岡「ナンバ…何処やそりゃ…確かオオサカとか言う場所やんなぁ？取り敢えず公園みたいな所で寝るかあ…でもこんな都会にあるかなあ」
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作者名：芥川 たぅ@カツアゲの人 | 作成日時：2019年12月8日 22時
