▽ 35 赤side ページ36
藤井「…人間を、信頼してるんか」
神山「いくら命を救われたからって…簡単に信頼したとちゃうやんな？俺等天使やで？」
「…もうやめよ、人間が下とか、天使が上とか…そんなんもうアホらしいわ。
俺、記憶失くして…堕ちて、思い出して…そんで思った。人間は悪い人だけじゃないし、天使やってそんな高貴やない
勝手に見下すのはもうやめよ」
全てAと出会って、思った事やけど。
人間のAは天使の俺を助けてくれて、天使と知っても誰にも言わんと毛嫌いしたりせんと一緒におってくれた。
そんな純粋なAを踏みにじる様な事を言うのは例え仲間でも許せなかった。
藤井「でも…」
中間「それがしげの答えや」
「「「！」」」
淳太はさっきとは違い優しい表情になっていた。
そしてふ、と右手を肩くらいまで上げて皆は光に包まれた。
気付けば天空の間で、瞬間移動した事を理解した。
中間「よし、最終会議すんで」
「ちょ、待って！A人間やのに天界きて良かったん！？人間やと空気に耐えれんくて破裂すんちゃうの！？」
中間「大丈夫、まじない掛けといた」
そして皆は席につく。そこには望もおって顔は暗い表情をしていた。
中間「しげ、全部思い出したんやな？」
「…うん、皆今まで黙って耐えててくれたんやんな…ありがとう、そんでごめん。
特に淳太にはすっごい心配させた」
中間「謝るんは俺の方や。庇ってくれたのはしげなんやから。ホンマ、命あっただけで良かったよ
思い出せて、能力も取り戻して、下界では家事も頑張ってたみたいやからしげの帰還を許可する」
「えっ、あっ…うん…」
前までならば嬉しかったんやろうけど、どうも頭に浮かんだのは抱いたままのAの事で。
見下ろすと、タイミング良く目を覚まして状況が分かってないAと目が合う。
*「あれ…しげ？羽と輪っか…って事は…」
「…うん、全部思い出して、能力も取り戻した。だから…戻ってこれる事になった」
*「…そっか、そうなんや…」
寂しそうに笑うAを取り敢えず降ろしてあげると、目の前に立って「良かったな」と更に寂しそうに笑顔をつくるから
俺の心がきゅう、と強く締め付ける。
小瀧「……」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 53人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：芥川 たぅ@カツアゲの人 | 作成日時：2019年12月8日 22時
