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鳥居の奥はここらじゃ心霊スポットとして使われてるくらい人気(ひとけ)が無くて暗い場所。
昔は栄えた神社で、叶わない恋を叶えてくれる神様が落ちてきてその神様を祀っていたらしい。
今は随分廃れて神社自体あるのか分からない。
取り敢えず鳥居をくぐって目がくらみそうな程続く石の階段を登っていく。
重岡「この奥に…丘があるってホンマ?」
「そのハズ…はひ、階段…しんどっ…」
重岡「う〜…また能力使えれば良かったのに…さっきのやっぱりまぐれやったみたい…はへ〜…」
しげが仲間に夢の中で丘の上に逃げろと言われたらしく、無意識にここまで飛んできたらしい。
でも、羽を切り落としたのにも関わらず使えたって事は…もしかしたら“最後”が迫って来てるのかもしれない…
ゼェゼェ言いながら一番上に辿り着く。
下を見下ろしてみへば大きかった鳥居も随分小さく見える。
階段の先には神社だったであろう古びた建物が崩れかかっていた。もはや半壊と言ったところか。
お賽銭箱の両斜め前にある狐の置物も少し寂しそうに見える。
しげは私の左手を静かに取って歩き出す。
重岡「…この奥、道があるっぽいで。もしかしたらその奥に丘があるんちゃうかな」
「…行こう」
重岡「うん…何があっても手ぇ離すなよ」
建物の後ろには森の小道の様な木のトンネルが出来ていた。夕日が隙間から漏れているのがなんだか神秘的で、
少し胸がドキドキする。
小道を抜けた所に大きな丘が、丘だけがただ広がっていた。周りは木だけできっとここは山の上なのだろう。
私達は何も発さずただ静かに登っていく。
────登っていく最中だった
後ろから突然光の弾が放たれた。私の真横スレスレを抜けたのを見て私を狙ってる事が分かった。
振り向けば無数の天使さんとその前に濃い顔立ちの背の高い男の人とその人に比べれば少し小さめの明るい髪色の人がいた。
大きい杖の様な物を向けているのは背の高い方で、きっとその人がやったのだろう。
重岡「…流星、神ちゃん」
知り合いだったみたいで、しげの表情は少し曇る。そりゃあ知り合いが自分に当たるかもしれない攻撃を放てば嫌に感じてしまうだろう。
しげは二人に背を向けて再び登り続ける。
藤井「…あの女が誑かしてるんか?」
神山「分からへんけど、何せ人間やからなぁ…」
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作者名:芥川 たぅ@カツアゲの人 | 作成日時:2019年12月8日 22時