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泣くのんちゃんが私の両肩を震えた両手で掴む。
小瀧「よく聞いてなAちゃん。実は今日Aちゃんを狙う天使が沢山現れるねん。
やけどきっとしげが守ってくれる。やから絶対しげから離れたらアカンで!もし離れたら…許さへんからな!」
「えっ、何それ…そんなん信じれる訳…」
小瀧「ええから!今日放課後!気を付けて帰って!」
いきなりそんな事言うもんやから理解が追っつかんけど、なんか大事が起きる気がした。
▽
放課後、校門の前に立ち止まる。
もしも本当に天使さんが私を狙ってくるのなら、予感でしかないけどしげが来てくれる様な気がして。
取り敢えず学校から出なければ天使さんの存在が認知されてはいけない気がする。
重岡「A!」
「…!しげ!」
重岡「…ふぅ、望が急いで帰って来たかと思ったらAを迎えに行けって言うもんやから…急いで来た。
アイツは逃がす事淳太にバレたらマズいからってまたすぐどっか行ってもうたけど
そんな事は今どうでもええ!取り敢えず逃げよう!天使の遣いが来てしまう!」
手を引かれてそのまま走り出す。まず家に帰って走りやすい水色のショートパンツに履き替えて上はこないだ買った服。
運動靴に履き替えて外に出る。
するとのんちゃんの部屋の前に見た事がある影が一つあった。
「…中間さん?」
中間「…どこ行くん、しげとAちゃん。」
重岡「…別に、淳太には関係無いやろ」
中間「あるよ、何するとは言わんけどしげ、Aちゃんをこっちに寄越して。悪い事はせんから」
重岡「…嫌や、今の淳太怖い」
震えた声色で反抗するしげ。その様子をみて更に不安が湧き出してくる。
しげが言ったように夢で会った時とは全然違う怖い表情を浮かべる中間さん。まるで怒る時のお母さんみたいで…
自然と私はしげに隠れて服の裾を握る。
中間「…はぁ、えらい怖がられてもうたわ。でも今更引き下がる訳にはいかんから、申し訳ないけど力ずくでも着いてきてもらうで」
重岡「やめろ、やめろや来んなや…!」
「「!」」
いきなりしげと私が光出して世界が歪み始めた。
そして気付けば何故か一、二回くらいしか見た事の無い山に繋がる鳥居の前にいた。
重岡「あれ、瞬間移動した…?」
「え、しげって能力使われへんかったよな…?」
重岡「おん…なんでや?」
────
中間「…嘘、まさか…」
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作者名:芥川 たぅ@カツアゲの人 | 作成日時:2019年12月8日 22時