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「のんちゃんおかえり、会議お疲れ様」
小瀧「…ん〜、疲れたぁ。難しい事ばっかりでのんちゃんもうへとへと〜」
「可愛こぶる余裕はあるんや」
小瀧「ひぇ〜、Aちゃんドライ〜」
登校中、何故か会うのが久々に感じるのんちゃんといつも通りに歩く。
いつも通り…とは言ったものの、のんちゃんはどこかよそよそしい。
どことなく気まずい様な空気が流れてていつもの道が随分長く感じる。
「…のんちゃん、何かあった？」
小瀧「えっ？」
「いやぁ、なんか暗いというか…もしかしてここに来てる事怒られたんかなって」
小瀧「…いや、それは無かったよ。安心して」
それでも苦い表情は変わらなくて心配は心に強くこびりついていく。
これ以上会話が続く気がしなくて黙りこくる。
…もしも、のんちゃんも帰る日が来るとしたらこの道も一人で歩くことになるんよなぁ。
『アンタは信五と違って友達一人出来ひん！』
『いじめられた？そんなん自分が悪いんやろ！いっつもそんな根暗の顔してるんやから！』
『アンタなんかに構ってる暇無いねん！あっち行けや！邪魔やなぁ！』
…あれ、のんちゃんと一緒にいたらお母さんの言葉なんか思い出す事無かったのに
何故かひっきりなしに次々と浮かんでは私の心臓辺りをきゅっ、と締め付ける。
ふ、と視界が歪んできては左頬がなんだか湿ってきた。
小瀧「…！Aちゃん！？泣いてるやん、どうしたん？どっか痛いん？それかしげに何かされたんか？」
「…ううん、ただ、のんちゃんもしげも一気に帰っちゃったら私一人になっちゃう。それがあまりに無力やなって…わ、」
いきなりのんちゃんが抱き締めてくる。
道のど真ん中だと言うのに、構わず力強く抱き締められてザワつきが聞こえてくる。
のんちゃんの少し甘くてそんでもって爽やかな香りが鼻腔を擽る。
あ、そっか。いつものんちゃんが隣で明るく振舞ってくれるから、笑わしてくれるから、自然と辛い事は忘れてたみたい。
それやのにそののんちゃんが暗いと私まで暗くなってしまう事に気付かされる。
やっぱりのんちゃんは私の中で大きな存在や。
「のんちゃ、苦しい…」
小瀧「んふふ、俺は何処も行かへんよ」
「あ、いつもの声色に戻った」
小瀧「ありゃ、皆の注目の的になってるで」
「！！！！！！！ははは、離してっ！」
小瀧「はは、可愛ええ」
これは恥ずかしいけど、のんちゃんの表情が柔らかくなったから良しとしましょう。
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作者名：芥川 たぅ@カツアゲの人 | 作成日時：2019年12月8日 22時
