▽ 28 桃side ページ29
中間「しげ自体は今、人間の女の子に拾われて何事も無く過ごしてるみたいやし、事件とかはそうそう起こらんやろ」
神山「えっ、人間に！？」
中間「その子は悪い子やなさそうやし安心し」
藤井「にしてもやろ…」
…そういえばAちゃんに挨拶したとは言ってたけども…
Aちゃんに接触してるとは言ってないし、それ目的やなんて尚更言えない。
…天使が人間に恋して、それ目的で人間のフリしてるなんか、タブーやんか。
�霤帖屬辰道�は…望ってばなんだかんだしげの事が心配なんやなこのやろー！憎めねぇなぁ！」
桐山「なんやね〜ん！んもぉ〜！可愛ええやっちゃなあ！」
「う、うるさい」
…馬鹿で良かった。
バレてないのなら結果オーライ。淳太もそこまで鋭く切り込んではないやろ…多分。
神様のお告げをきくには相当な力がいる分、淳太でもそこまで長くお呼び出来ひん。
しかも神様もちょっと意地悪やから自分で考えろって投げやりになる時があるから詳しく教えてくれん時の方が多い。
さっき淳太が言ってた様に自分で解釈するしか無い。まぁ俺はまだまだそんな力無いから聞いた事無いけど。
藤井「あ、そんでどうやって思い出させるん？それについてまだ詳しく話してないで」
中間「せやったな、それを神様に聞いたら
『記憶とは砂の如し。地道に集めなければならない。ただし、集めるだけではまた風に吹かれて去ってしまう。
砂を固め、形にする事が重要となる。それを出来るのは、強く信じた仲間のみ。
しかし、鍵を握るのは種族違(たが)える鈴蘭の華のみ────』
とか言ってた。詳しい事はやっぱり教えてくれへんかったわ」
桐山「はぇ〜、そんなざっくりとした比喩的表現どうやって紐解くんや〜！？」
�霤帖峭佑┐燭世韻覇�痛いわ〜！」
…鈴蘭の華？種族？
「待って淳太、最後の例えってさ…昔の唄で無かった？ほら、手鞠歌みたいなポジションの唄でさ！」
中間「…！それやのんちゃん！確か、彼岸花と白百合と鈴蘭が例えに使われてる唄やんな！」
大昔、天使の詩人が唄った唄にそんな感じのがあった。
彼岸花は悪魔、白百合は天使、鈴蘭が人間と例えられて唄われた。でもそれは大分昔の唄で今知られてるのはほんの僅か。
桐山「成程、どっかで聞いた気はするわ！」
神山「のんちゃんナイス！って事は、“種族違える鈴蘭の華”って言うのは天使と違う人間って事やんな！」
「…となると、その鈴蘭の華ってまさか…」
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作者名：芥川 たぅ@カツアゲの人 | 作成日時：2019年12月8日 22時
