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家に着いて靴もを脱いだ途端、しげは私の荷物を奪い取って手首をそのまま私の部屋に引いていく。
そしてベッドに押し倒される。
「えっ、ちょっ、展開が早すぎる…！」
重岡「Aがあんな可愛い反応するのが悪い」
「だ、だって、あれはいきなりやったから…」
重岡「でも、期待したのは図星やろ？」
「……そ、そうやけど」
やけに色っぽい表情のしげ。両手首を押さえつけてる大きな手は男らしい感じがして、伝わる温度さえ心臓をうるさくさせる。
何でかふとかわくんにされた時と違って気持ち悪さも嫌な感じもしなかった。
天井の明かりに照らされたしげの顔を見るのはなんだか恥ずかしくて目を逸らすとすぐさま反応して「アカン」と言葉が降ってくる。
重岡「こっち向いて」
「いや、恥ずかしいから無理」
重岡「…それが可愛いって言ってんの」
「ゎ」
軽く触れられた唇は初めての感覚で、心臓が掴まれた様にきゅう、と苦しくなる。
でもその苦しさは嫌な苦しさじゃなかった。
なんて言うか、甘酸っぱい様な…そんな感じ。
重岡「…抵抗せんって事はそういう事って捉えてもおかしくないよな？」
「……」
重岡「…まぁいっか、晩御飯食べよ」
「……うん」
いつもの子供っぽい表情になったしげ。その表情を見れば改めてさっきの表情が色っぽく感じてしまってドキドキが治まらない。
ゆっくりと起き上がって制服のジャケットを脱いでハンガーに掛ける。
そしていつも通り弁当と水筒を鞄から出したり、携帯を取り出してベッドに置いたり…
それでも心臓はまだ少しうるさくて
これが恋とかそういうときめきだとするのならば今すぐ諦めた方がいい。
しげが帰る日が来た時、辛くなるのは自分だから。
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作者名：芥川 たぅ@カツアゲの人 | 作成日時：2019年12月8日 22時
