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「ふとかわくん?」
太川「ふふ…ふふふ…二人きりだネっ…!Aちゃんの事は学校内の事だけしか知らないけどとても愛しているんだっ…!」
「え?」
太川「いつも可愛くてキラキラしてるAちゃん…皆話さないなんて勿体無いよネっ!
まぁこんなに眩しかったら話せないのも、無理無いし…ふふふ…可愛いなぁ…近くで見れば見る程可愛いなぁ…」
…雲行き怪しいぞ。
汗は更に流れて来て息は荒くてもはや肩で息をしてるくらい。いきなり饒舌になってきたぞ。
ジリジリとゆっくり近付いてくるふとかわくんから本能的に身体が後ろに逃げていく。あ、これヤバいやつや。
太川「いっつも小瀧が隣にいて邪魔だったんだよぉ…後ろをつけたらすぐ気付いて睨んでくるんだもんなぁ…
睨まれたら不思議と身体がしばらく動かなくなって、何もする気になれなくなるんだ…」
それ完全に天使さんの力使ってるよね。
太川「いっつもAちゃんを独り占めしちゃってさぁ…イケメンはズルいよねぇ…許せないよねぇ…だって、Aちゃんは、僕のなんだから!」
「えっ、ちょ、びゃッ!?」
じっとりとした大きな手で左手首を掴まれる。その温度と湿った感じで悪寒が走る。
のんちゃんがいつもしつこいくらいに一緒に帰ろって言ってきたのはこういう事やったん??
暗い夜道は誰も通らなくて、街灯の不気味な白い明かりしか私を照らすものは無い。
のんちゃんは人間の世界には居ないし、いた所で届く訳が無い。
どうしようと考えてるうちに手首はそのまま強く引っ張られてコンクリートの壁に押し付けられて両手首も押さえつけられる。
「いでッ…!ちょ、やめッ!」
太川「ふへへ…Aちゃんは僕のモノなんだ…今愛のキスを交わそうねぇ…」
「ちょ、それは勘弁してくれ!」
太川「ん〜♡」
汗でびちゃびちゃの顔が近付いてくる。しげも汗っかきやけどなんかこう…爽やかさが違う!やめてくれ!
人生最大のピンチ!
こういうのは顔とか見た目とか一切関係なしで良くないぞ!
「…しげ、たすけて…」
太川「んぅ?誰それ…げふぁっ!?」
「…へぁ?」
ふとかわくんの情けない声が聞こえたかと思えば両手首は解放されて私から見て左にぶっ飛んでいった。
そして代わりにそこに立っていたのは見慣れた彼。
重岡「おい、お前人の女に何手ぇ出しとんじゃ」
「しげ…!」
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作者名:芥川 たぅ@カツアゲの人 | 作成日時:2019年12月8日 22時