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「…って事なんやけど、のんちゃんなら分かるんちゃうかなって」
小瀧「えぇ〜！それで呼んだん！？珍しくAちゃんからたまには屋上で食べよって言われたから告白かなんかやと思ったのに！」
「それは無いから安心して」
小瀧「それは寂しい」
昼休み、静かな屋上のベンチに二人。天使さんの話をするならばその方がいいと思って呼んだのだが…
隣でこの男は唇を尖らせて拗ねた表情を浮かべる。
「で、天使さんの昔話とか無いん？ほら、“英雄伝説”みたいなん！それにしげが関わってる〜、みたいな事ないの？」
小瀧「…“英雄伝説”なぁ。にしてもえらい兄妹してすごい天使に関わりあるなぁ。
でもあんな、Aちゃん。Aちゃんには悪いんやけど、天使の口から人間に天使の事情は話したらアカンねん。
存在がバレたらアカンのと一緒で。しげはともかく、俺は今一番危うい状況におるからこれ以上は一線越える訳にはいかんねん。
でも一つ言えることはその推理あながち間違いや無いって事かな。まぁ神様と淳太が何考えてるか分からへんねんけど」
真面目に答えてくれるのんちゃん。やっぱりのんちゃんはすごい人…いや、天使さんなんだなぁと思わされる。
そういやしげが言ってたけどものんちゃんも中間さんの仲間(響きがややこしい)だそうな…
じゃあすごい天使さんという訳か。
…あながち間違いや無いって事かな、って事はしげが昔の記憶を思い出してしまえば帰ってしまうということか。
あれ、なんで私今ちょっと寂しいって感じてるんやろ。のんちゃん以来の心開けた相手やから？家事をしてくれるから？褒めてくれるから？
自分の気持ちがわからなくてモヤモヤしてしまう。
帰れる事は良い事やのに。
小瀧「……」
小瀧「(…そんな寂しそうな顔せんといてや。俺どないしたらええんかわからんくなるやん)」
のんちゃんも黙りこくってしまって少し暗い空気になってしまった。
ワガママで申し訳無くて困る。
「のんちゃん、のんちゃんはなんでこの世界に来ようと思ったん？」
小瀧「…それはまだ内緒」
「まだ？」
小瀧「もしも、もしも俺が正式に帰らなアカンくなった時にでも言おうかな」
「…え〜、して欲しくないよそんな日。そんなん二度と会えん気がするやんか」
小瀧「…そうやねぇ。俺も来て欲しくないよ」
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作者名：芥川 たぅ@カツアゲの人 | 作成日時：2019年12月8日 22時
