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▽ 20 村上side ページ21

サッカーも終わって買ってきたビールも飲み干した頃、そろそろ寝ようかと欠伸が出る。

そして部屋を見渡すと相変わらず綺麗な部屋。

Aは真面目やからな、そういうのはきちんとしてるんやなぁ。


缶をゴミ箱に捨てて歯を磨いて、自分の部屋に入る…前にAの部屋の前に立つ。

昔から寝てる時寝言で謝ったり寝ながら泣いてたりしてたAが気がかりで仕方なかった。

最近は大丈夫やろか、と心配で泊まる度確認している。まぁ、その度大丈夫だったが。



「A入るからなぁ」



まぁ一応年頃の女の子。ホンマは兄なんか泊めたくないやろうに。しかも寝顔見られたりするんは嫌かも知れんと思ってそれは言ってなかった。

だから心配で覗いてるのはAは知らない。


電気をつけるのは悪いから廊下の明かりだけを頼りにベッドに近付いていく。

そして異変に気が付いた。

人が二人いる。

これは…男か!?不審者!?

気付いたら俺は叫んでた。



「お前誰やぁ!?」






ーA sideー



気付いたら眠っていて、心地のいい感覚に包まれていた時、お兄ちゃんの叫び声で目が覚めた。

虫でも出たのかな…なんて考えたがすぐそばにて聞こえたのが不自然で目を開く。

廊下の明かりが見えるのがおかしくてその方を見てみるとそこにはお兄ちゃんが立っていた。

寝惚けた頭が冴えてきたのが分かった。



────終わった



村上「お、おい!A、それ誰や…!?」

「え、あれ、あの…」

重岡「んぇえ?…うわぁ!?」



急いで電気をリモコンでつける。そして吃驚してるお兄ちゃんの方に向き合う。

お兄ちゃんは不審者が私の隣に入って寝てると思ったみたいで焦っている。



村上「それともあれか、Aも年頃やし彼氏と同棲に使ってたんか…?お兄ちゃん寂しいけどそんなんは言うてくれな!」

「かッ…!!!!いや、そういうんやなくて…」

重岡「…ホンマの事言うてええよ、A」

「え、でも…うん、分かった」



私は事の経緯を全て話した。しげが凍死しかけてた事、それを助けた事、…実は天使だという事。

するとお兄ちゃんは何も否定する事もなく怒る事もなくただ静かに頷いて話を聞いてくれた。



村上「そうやったんかぁ…君、大変やったんやな!ごめんな、不審者とか言うてもうて!」

重岡「えっ、信じてくれるんですか…!?」

村上「そりゃ信じるわ!可愛い妹が言うてる事なんやからな!」





.

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作者名:芥川 たぅ@カツアゲの人 | 作成日時:2019年12月8日 22時

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