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しげが来て約二週間。

なんだかんだ二人暮しも慣れたものだ。家事はしげがきちんとしてくれる分楽になった。

そんな中、気になってた質問を何となく投げかけてみる。



「なぁしげ、しげってこんなにきちんと家事とか出来るのに下界に堕とされたん?」

重岡「ん〜、上ではゴロゴロしてた記憶しか無いんやけど…それがアカンかったんかなぁ。

でもさぁ、俺ポンコツ天使とか呼ばれてたんやけどなんでそう呼ばれ始めたかも思い出されへんし、いつから俺がそうなったのかも何も思い出されへんねん。

記憶喪失なんかねぇ?イマイチ分からん」

「へぇ、記憶喪失かぁ…もしかしてその記憶を思い出せたら上にもどれるのかも?」

重岡「おぉ!それありそうやなぁ!」



我ながらぽい答えが出てきたと思った時、いきなり私の携帯が鳴り始めた。

どうやら電話だったようで、画面を見るとお兄ちゃんからだった。



「もしもし?」

村上『もしもしAかー?いきなりで悪いんやけどなぁ、今大阪来てんねんよ。今から泊まってええか?』

「えっ、」



いつも大体いきなりだった。でもいつもなら断る理由が無かったからすぐに「いいよ」と答えた。

…だが、今は違う。



重岡「?」



今はしげがいる。

でもいつもいいよ、と言ってる私が断れば疑われてしまうし、なんせお兄ちゃんが困ってしまう。

自分の理由だけでお兄ちゃんが困るのはあまりに自分勝手で悪い。いつも生活費を助けてくれてるお兄ちゃんに悪い事は出来ない。

しかもタイミングは重なってのんちゃんは天使の国へ帰ってしまった。どうやら会議があるらしい。

だから隣に行ってもらうことも出来ない。



「い、いいよ!ご飯は食べた?お風呂は沸いてるからな、ゆっくり帰ってきて〜」

村上『おお、そうか!いつもすまんなぁ。ご飯は食べたからいけるわ!そうそう、東京土産あるからな!あ、タクシー来たわ。電話切るな〜』

「は〜い」



…電話から電子音がループしてる。

そして何もわかってないしげを見る。



「…ごめん、しげ。いきなりなんやけどお兄ちゃんが今から帰って来ます。」

重岡「え、えぇえええぇええッ!?」

「うわあぁあああごめん!ごめんなあ!」



パニックになる私達。どうしよう!





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作者名:芥川 たぅ@カツアゲの人 | 作成日時:2019年12月8日 22時

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