26：夢の話。 ページ26
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ゆらり
水面の影が写す私の過去。
土方さん。
何故、あの時私を、私を...。
私を.........なんだっけ。
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もっと私を使って。そう土方さんに頼んだことがあった。
でも土方さんは『お前は刀でも、一応女なんだ。傷を付けるわけには行かねぇ』
なんでって思った。私は土方さんのためなら壊れてもいい、そう思ったんだよ。
土方さんが私の生きる理由で、死ぬ理由なんだ。
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土方さんは私をあまり使うことなく歳を取った。
死期を悟ったのか、もう私にはわからないけど函館の二股口の戦いに堀川と共に連れて行かれた。
でも、兼定はいなくて。
何でいないの？そうたずねても帰ってくるのは沈黙だけ。
きっとお金持ちの家に引き取ってもらったんだろうな、と自己完結させた。
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戦いの最中、私たちはあるお屋敷へと連れて行かれた。
そこには兼定もいて。
戦いが終わった。
土方さんが死んだ。
堀川からそう告げられた。
銃で、撃たれたんだって。
シンとなった部屋に堀川の鳴き声と兼定のすすり泣く声が響いた。
私は、泣かなかった
否
泣けなかった。
本当に悲しい時は涙がでないんだな、と。
そのあと70年後くらいかな...占領軍による武器の没収が始まった。
どうか和泉守兼定だけは...！！と、屋敷の者が声を上げた。
兼定だけ？私と堀川はどうなるのさ。
...もちろん軍によって没収された。
はずなのに。
私だけ、とある金持ちの家に売られた。
没収するはずじゃないの？
堀川はどうなるの？堀川は海に、沈められてしまうの？
堀川は沈められる事を覚悟していた。
私はなんの覚悟もできてない。
なんで。
なんで皆私を置いていってしまうの？
土方さんも、兼定も、堀川も。
堀川が軍の人に連れて行かれる前、少し話をした。
それは他愛もない話。兼定の話。世間話。これからの話。
たくさんした。
...堀川は最後にこう告げた。
『＿＿＿＿＿＿、A。またいつか会おう』
そう言って軍の人に、連れて行かれた。
あの時の言葉はもう思い出せない。
...堀川、好き。
開けかけた口からはもう声なんか出なかった。
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鶴宮。(プロフ) - 面白いです!15話の三日月のよかsというのは漢字に直すとおそらく夜伽になります。これはよとぎと読みますよ( ´ ▽ ` )ﾉ (2016年8月21日 21時) (
レス) id: bffbad219a (このIDを非表示/違反報告)
ウィルバーボイド(プロフ) - ホッピーさん» 御指摘ありがとうございます。直しておきたいと思います (2015年7月29日 12時) (レス) id: c7514f68d0 (このIDを非表示/違反報告)
ホッピー - 三度の飯よりご飯が好きは、間違ってますよ。ご飯というところを例えば、読書とか寝るのとか動詞を入れなければならないと、思うのですが。 (2015年7月29日 11時) (レス) id: 36d7c8025c (このIDを非表示/違反報告)
テツナ - とても面白いです！！これを読んでたら堀川くんきてびっくりしました笑 (2015年7月28日 23時) (レス) id: 3964b82c0f (このIDを非表示/違反報告)
ブラッディ(プロフ) - ですな← (2015年7月22日 11時) (レス) id: 48db46983d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ウィルバーボイド | 作成日時：2015年5月24日 0時
