2 ページ2
掴まる場所がなくてバランスを崩しそうになるのを何とか踏ん張る。
でも人が多いから何回かぶつかってしまう訳で
何度も周りの人たちに冷たい目で見られた。
満員だからイライラするのはしょうがない、私もそうなのだから。
そう言い聞かせて舌打ちしそうになるのを抑えた
そんな時、髪が引っ張られているような感覚がした。
キツく抑えられているのか反対側に動こうとすると頭皮に痛みが走る。
『え…』
横目でチラっと確認する。
男性のシャツのボタンに髪が絡まっていた
その事に気づいてるのは私だけで
その男性は吊り革に捕まってじっと前を見つめていた
綺麗な顔。だけど整いすぎて何を考えているか分かりずらい。
幼い子供を連想させる大きく丸い目。
くっきりとした2重にぷっくりとした涙袋は1度見たら忘れないだろう
とりあえずいつまでもこのままにしておく訳にはいかない
彼も会社に行かないと行けないし私も大学に行かないといけない
『すみません、私の髪が貴方のボタンに絡まってしまいました』
「え、大丈夫ですか？」
私の声は彼だけに届けたはずが思ったよりも周りに届いたらしく
彼の心配する声とは別に否定的な言葉が飛び交う
「これだから女は…」
「面倒くせぇことやられたなぁ、兄ちゃん」
「俺ら仕事だっつうのに大学生か何だか知らないけど気楽だな」
朝の仕事に行く前の満員電車だからイライラするのはしょうがない、
でもさすがに堪えられない
こういうとこがまだまだ子供なんだろう
『この方には確かにご迷惑をお掛けしてます、』
『でも貴方達に迷惑をかけた記憶は御座いません。』
『自分のイライラを他人にぶつけるなんて良い大人が恥ずかしいですね』
一気に言葉を吐き出して鞄の中に入っているであろうモノを探る
手に当たったのは確かに探していたモノだと確信すれば取り出して
容赦なく私の髪をバッサリと切った
もちろん目がぱっちりしている彼も周りも驚いて言葉を失う
人酔いして吐いてしまっても大丈夫なようにいつも持ち歩いている袋に
彼のボタンに絡んでいる髪を取ってハサミと一緒に入れた
数本…ハラり、と落ちてしまったのは申し訳ないけど見て見ぬ振り。
先に近い方で切れば良かったのに勢いで切ったせいで
そこだけ短くなってしまった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 85人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
恋華空 - Chat noirさん» ありがとうございます☆ (2017年4月30日 17時) (
レス) id: 46ea4dc191 (このIDを非表示/違反報告)
Chat noir(プロフ) - 恋華空さん» 初めまして、コメントありがとうございます。是非お友達になりましょう。 (2017年4月29日 10時) (レス) id: 67855fac6e (このIDを非表示/違反報告)
恋華空 - 面白いです♪お気に入りの方々がたくさんいらっしゃるので、私ごときが、とは思う いますが。お友達になっていただければ、嬉しい限りです。 (2017年4月26日 21時) (レス) id: 46ea4dc191 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Chat noir | 作成日時：2017年4月17日 22時
