願わない硝子の靴 �� ページ11
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いつかと同じように、否、いつもと同じように、歓声やŹOOĻを呼ぶ声が響いている。何も変わらないはずなのに、"それ"はいつもより鬱陶しく感じない。
呆然と緞帳の合間から観客席を見つめる亥清に、棗さんが近付く。
｢亥清さん、中指を立ててくれます？｣
｢中指？いいけど、なんで？｣
｢私はお行儀がいい子なので、あなたみたいな子が必要みたいなんです｣
棗さんは意地の悪い笑みを浮かべると、満足気にする。一体、何をしたかったのかは傍から見ていても分からなかった。
｢それって占い？｣
｢いいえ。後でお話しますね｣
｢俺にも後で聞かせろよ｣
『僕も聞きたいです。気になります』
｢構いませんけど、お2人とも、泣いたら慰めてくださいます？｣
｢あはは。巳波の冗談は面白いな｣
『その時の状況によります』
僕達の茶番のようなやり取りを終始見ていた狗丸さんは、息の混ざった笑いを零した。
｢そうだ…俺にはお前達が必要だ。ブレーメンの音楽隊…どこかで、誰かに、価値がないって言われてきたって、俺には必要だ｣
思わず目を丸くする。
直後に込み上げてきたのは、言葉では言い表し難い嬉しさ。
｢トウマ…｣
｢俺たちのキラーチューンをこの世界にぶちかましてやればいい！｣
｢…悪くない｣
｢当然じゃん｣
｢ふふ。行きましょうか｣
『ファンも待ってますよ』
｢おう！｣
誰かに愛されたかった。
誰かに認めてもらいたかった。
そんな唯一の共通点だった夢は、いつの間にか叶っていたのかもしれない。
だって、そうじゃないと、こんなに頬が緩むなんてことは有り得ないのだから。
──────
補足としてですが、『狂いゆく未来 �供戮量η箸�んのセリフで、｢トウマさん｣と言っているのは間違いではありません。
お久しぶりです。出戻り作品も完結したので戻ってきました！当初の予定から2ヶ月遅れ申し訳ないです。
ゆっくりのんびりと更新していこうと思いますので、お付き合い頂ければ幸いです…。
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如月(プロフ) - かんざしさん» コメントありがとうございます！とんでもないほどの亀更新ですが、お付き合い頂ければ幸いです！ (2022年7月23日 9時) (
レス) id: 84c586e8ee (このIDを非表示/違反報告)
かんざし(プロフ) - いつも楽しく読んでいます。更新楽しみにしています。 (2022年4月10日 9時) (レス) @page22 id: d0a7163713 (このIDを非表示/違反報告)
如月(プロフ) - じんさん» コメントありがとうございます。いい作品と言ってもらえ、とても嬉しいです…！A3！も余裕が出てくれば書いてみたいと思っているので、その時は読んで頂ければ幸いです。これからもゆっくりですが、更新頑張りますのでお楽しみに…！ (2021年5月6日 22時) (レス) id: 84c586e8ee (このIDを非表示/違反報告)
じん(プロフ) - コメント失礼します。とてもいい作品だなと思いました。A3!も良いですよね〜(アイナナはゲームをしているのですが、なぜかA3!はダウンロードしても起動せず、ラノベで楽しんでます。)これからも楽しみにしています。(コメント中失礼な文があればすみません。) (2021年5月6日 22時) (レス) id: 8477ec0dd8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：如月 | 作成日時：2021年1月9日 16時
