距離を縮めたくて【活撃刀剣乱舞】参

五十八 ページ9

「いっ…」



骨「だ…大丈夫か？」




第一部隊の中で、私だけ中傷を負って、本丸に帰還した。





痛む頬や腹、足を骨喰に庇ってもらいながら長い通路を歩くと、今1番会いたくないあいつの姿。




兼「！！！」






和泉守は私を見ると顔を歪め、顔を逸らしてその場から足早に去っていった。








…なんでそんな泣きそうな顔してんの



「意気地なし…」







ははは…と力なく笑うと、無理して笑うなと骨喰になだめられる。






ずっと思っていたけど、骨喰は本当に優しい子だ。
最初こそ気難しいやつだと思っていたけど、今じゃすっかり打ち解けた。






しかし、和泉守のあの態度と来たら。弱っている今にそういうことをされると結構傷つく。








「あーあ…もう私のことなんてどーでもいいのかな」





あぁ。やばい。考えると頭おかしくなりそう。




手入れ部屋の道まで、考えることは皮肉にも、あいつのことばかりだった。

五十九→←五十七

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す