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五十六 ページ7

大「沢山食べて、明日の活力にしてくれ」




宗「はい次の方〜」




あれから広く場所を取り、料理が出来なそうな爺を除いて作業に取り掛かる。



私お手製の汁物を多めに作り、川岸まで移動すると人があっという間に寄ってきて、炊き出しを美味しそうに食べている。





髭「お〜い、こっちもやけたよぉ〜!」



膝「はい、これも美味いぞ」


目線を移すと、源氏二人組みは焼き魚や米の笹巻きを振舞っていた。



と、ふと丘の上を見ると一人で木の下にうずくまる小さな男の子が見えた。



「骨喰、ちょっと行ってくるからお願いね」



骨「あぁ」



そっとお椀に汁物を入れて男の子に近づくと、すすり泣く声が聞こえてきた。



私の気配に気づいたのか、顔を上げると、目線を逸らされてしまう。




「よかったら食べて?」



「…いらない」




「食べないと元気出ないよ…?少しでも口にいれないと」



するといきなり強い力で手首を掴まれた。


思わず持っていたお椀を落とすと、腕が焼けるように熱い。


「あっつ…‼」




村人「お前…うちの子に何してくれてるんだい」



顔を上げると、その子の母親と思われる女性が顔を歪ませながらこちらを睨みつける。



「すっ…すいません。何か食べ物をと…」



村人「そんなものいらないよ!!!!腰に刀下げてる奴らの飯なんか食えるものか!!」



あぁそうか。この人も…。



主人が辻斬りに斬られたのだろう。先ほど墓の前で見かけた女性で間違いなさそうだ。



辻斬りに夫を奪われたのなら、刀を持つものに拒絶的な態度をとってもおかしくはない。




村人「こんなもののせいでッ…‼」



「っつ‼」



急に胸倉を掴まれ、地面に叩きつけられると、頬を何度も叩かれる。




村人「こんな鉄の塊のせいであの人はァァァァアッ!!!!」



「っやめてくださ…いッ!!」


頬だけではなく腹や肩にも痛みが走る。






…痛い。






これがこの人の痛み。
私の痛みに比べたら、想像もつかないほどの苦痛だろう。


殴られながらそんな事を考えていると、先程の男の子が母親の手を止めた。




「もうやめてよぉ!!おかぁさん!!」




その言葉で我に帰ったのか、殴る手を休めて私の上から体を起こした。



フラフラと立ち去る母親の背中を追いかける子供を痛みに顔を歪めながら見やり、頬に付いた泥を拭いながら丘を降りた。

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シャム(プロフ) - まってます!!! (2018年12月2日 3時) (レス) id: b3f5c72a28 (このIDを非表示/違反報告)
彩彌(プロフ) - 久しぶりに更新されて嬉しかったです!!続きが凄く気になりますが、無理をせずに更新してください!!楽しみにしてますね(・´з`・) (2018年1月16日 22時) (レス) id: 5fe99d50ec (このIDを非表示/違反報告)
るる2号(プロフ) - 面白くて何回も読み直しちゃいました!更新待ってます!! (2017年12月19日 13時) (レス) id: b96b11bd27 (このIDを非表示/違反報告)
紫月 - 面白いです!!続きが気になるです!更新頑張って下さい!! (2017年11月20日 7時) (レス) id: 73c563ba73 (このIDを非表示/違反報告)
翠櫻 - 面白いですがんばってください (2017年11月3日 18時) (レス) id: 64d53ddba3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まぐろ。 | 作成日時:2017年9月4日 15時

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