【コロイカ】最強戦士の旅行3 (ページ31)

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129話ページ31

自分の姿がどうなっているか見えないが、女の子は嬉しそうにしている。
「これでワタシのお友達！」
この子はお友達が欲しかったのか。
その思いはワタシと似ているのかも。
「ありがとうございます。これから、よろしくお願いいたします」
ワタシが手を出すと、女の子も手を出し、握手した。
「こっち来て！見せたいものがあるの！」
ライダーは何も言わずに、女の子の方へ連れてってくれる。
ライダーにとっては、つまらないだろうか？
連れてきてくれたのは、お花畑。
たくさんの種類の花が植えられている。
女の子はその中に入り、また花冠を作っている。
それは、ライダー用かな？
その様子を見ていると、ライダーが口を開いた。
「別に子供に敬語を使う必要はなかったんじゃねぇか？」
「初対面の方に敬語を使うことは基本では？」
疑問形に疑問形で返すなよと言うライダー。
絶対そうだと言う自信がなかったから、疑問形になってしまった。
「そうだけど、相手はガキだぞ？」
「相手が子供だとしても、同じことが言えると思うわ」
花畑を自由に駆け回る女の子を見ながら話す。
花畑を笑顔で駆け巡る姿は、周りの花たちと同じように元気で美しい。
しばらくすれば、花冠を持ってきた。
ワタシと色違いの花を使ったようだ。
「こっちはお兄ちゃんにあげる！」
ライダーの元に行き、ライダーにかぶせようとジャンプしている。
「ライダー、しゃがんであげて」
ライダーは舌打ちをしながら、しゃがむと女の子は花冠を乗せた。
ワタシの正面に立ち、私とライダーの両方を見る。
「お姫様と王子様みたい！」
ライダーは混乱したような態度で、『なっ！？』等を言いながら顔を赤くしている。
なぜ混乱しているのか分からないが。
「ワタシはお姫様じゃありません。お姫様は綺麗な心をお持ちなのです。ワタシの心は真っ黒です」
世界を滅ぼしたいと願った心が綺麗なわけがない。
暗く、血生ぐい、そんな心。
綺麗になんてできないほどに、汚れてしまった心。
お姫様には程遠い。
「でも、お姉ちゃん優しいもん！」
ワタシが優しい？
そんな風に言われるのは初めて。
そんなわけないよ。
彼らがいなければ一人になってしまう。
それほどたくさんの人に嫌われてしまっているワタシが、優しいわけなんてない。
でも、この子が嘘を言っているように思えない。
人によって『優しい』は変わるし、この子の『優しい』にたまたま入ったのだろう。