【コロイカ】最強戦士の旅行3 (ページ4)

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102話ページ4

でも、その優しさに甘え続ける訳には行かない。
でも、手がこれ以上動かない。
「無理をするな、A！Aなりに過去と戦っていることは分かった。あまり無理をするな」
そう言いながら隊長は止めるように、ワタシの手を握る。
ワタシはまたその優しさに甘えてしまった。
このままでは、これがループしてしまいそうだ。
でも、今はやめるしかない。
「気分を害してしまって、申し訳ありません。ワタシは自分の部屋で食べてきます」
そう謝罪してワタシは自分に戻り、静かに食べた。
このままでは、大切な人達に置いてかれてしまう。
少しずつしか無理かも知れないけど、進まなければ。
戻ってきたら、隊長は皿洗いをしていた。
降りてきたワタシに隊長は反応した。
「気分は大丈夫か？」
心配そうに訊いてくれる隊長に、
「はい、もう大丈夫です。ご心配をおかけして、申し訳ありません」
と、謝罪した。
「いや、大丈夫なら良かった。ワガハイはAに辛い思いをして欲しくないからな」
優しい眼差しでワタシを見て言う、隊長。
「でも、辛い思い出をしっかり受け止めなければ、ワタシはさらなる高みへ行くことができません。誰かを守るためには、精神も強くなくては、守れないのです」
ワタシがそう言うと、
「ワガハイは、辛い思いをしてしまうなら、やめてほしいと思うがな」
とこちらを見ずに言った。
そう言う隊長だって、辛い思いをしてきたのでしょう？
ワタシの目にはそれらしきものが見えないけど、きっとあるのだろう。
隊長もまた、それと戦うのでしょう？
ワタシはそれと戦う手伝いがしたい。
その為にワタシは、戦わなくてはならない。
決して軽いものではないけれど、倒せないことはないはず。
いつ倒せれるかなんて誰も分からないけど、今なら大嫌いな『希望』を持ってでも、戦える。
必ず、勝ち抜いてみせる。
「Aは何と言ってもやめないだろうが」
ちょっと呆れたように言う隊長に、
「はい、絶対に諦めません。書類のことも」
と強く言うと、
「それは諦めろ！」
と隊長に怒鳴られてしまう。
暗い話をしていても、たちまち明るくなる。
それはきっと、隊長がいてくれているからだろう。
皿洗いを終えた隊長は、部屋に戻って行った。
ワタシは出かける準備をして、外に出る。
地図は送られてきていたため、それに従い進んでいく。
少し迷ったけれど、ちゃんとスカルさんの家に着いた。
ドアホンを押しても反応がない。
けど、ちゃんとドアが閉まっている。