第一走者 3〜4分 ページ4
そう言って上を眺めるワタシに、
「あれぐらい別にいいだろう。他の敵もさっさと倒すぞ」
と言ってワタシを狙っていたもう一人のタコを倒した。
「あ、ごめんなさい。ありがとう、お兄ちゃん」
そうお礼を言うと、
「妹を助けるのは兄として当然だ。礼を言われることではない」
と偉そうに言う兄の後ろにまだタコがいた。
ワタシはそれにカーボンを投げ、ジャンプしてタコを倒す。
兄は後ろを振り向いたが、見なかったことにしようとしたので、
「お互い様だね」
とわざと言った。
兄は鼻で笑い、ワタシもそれに笑う。
こんなことができるのは、今この時間だけ。
この戦いだけ。
この戦いが終わってしまったらきっと、ワタシはまた一人ぼっち。
それでもいいんだ。
大切なイカが幸せに過ごせるなら、きっと。
「左から行こう！その後右ね！」
そう言ってワタシは左に道を作り、網を潜る。
そしてその部屋の真ん中にある風船をインクで刺激し、爆発させた。
爆発により壊れた箱数個からは、敵が飛び出してきた。
ボムを駆使して、兄と一緒に敵を片付ける。
崖っぷちを歩きながら探し物をして、逆側の部屋に行く。
開けた箱からいきなり敵が出てきたので、三角ボムを投げて風船裏に待機。
倒し終えたらまた箱を壊していく。
しかし、一つものすごく硬い箱に出くわし、それを二人で壊す。
すると、そこから鍵が出てきた。
「これで次の場所に行けるな」
そう言って鍵を取る兄に、
「うん！でも、まだ壊してない箱もあるからそれを壊してからにしよう」
と言って箱を次々と壊した。
一つ箱の先の箱を先に開けてしまい、そこにタコがいるのを見逃さなかった。
すかさずそこにはボムを投げ、手前の箱を破壊すると同時にボムも爆発し、敵の姿もなくなった。
「王がいなくてもお前一人でなんとかなったんじゃないか？」
そう成長する我が子を見る目で嬉しそうに言うお兄ちゃんに、ワタシは
「そんな寂しいこと言わないでよ」
なんて返してしまった。
お兄ちゃんはワタシの成長を喜んでくれているのに。
一人はもう、慣れたはずなのに。
お兄ちゃんに心配なんて、かけさせたくないのに。
ダメだなぁ、ワタシって。
力はこんなに持っているのに、心は弱いや。
強くならなきゃ、心も。
「とりあえず、ドアに向かうか」
そう言う兄にワタシは黙ってうなずいた。
弱みを見せてしまって、何も言えなくなってしまったんだ。
そんなワタシを知ってか、兄は何も言わなかった。
ごめんね、こんなダメな妹で。
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鈴@suzu(プロフ) - 皆様更新お願いします！！！ (2021年1月22日 18時) (
レス) id: 1f6c12cc37 (このIDを非表示/違反報告)
倉塚めろん - よぉし！私もがんばるぞい！ (2020年8月14日 17時) (レス) id: f306c381ea (このIDを非表示/違反報告)
RESUTE(プロフ) - ＊くらげ＊さん» コメント、お褒めの言葉をありがとうございます。私がモットーとしていた部分が達成できていたようで、凄く嬉しいです。ありがとうございます。ご期待に応えられるよう、他の方と尽力してまいります。トプが製作者様にお伝えしておきます。 (2020年8月14日 16時) (レス) id: 0891d09283 (このIDを非表示/違反報告)
＊くらげ＊(プロフ) - それとトプ画が凄く素敵です!!続けてコメントしてしまい,大変申し訳御座いません!! (2020年8月14日 16時) (レス) id: 95c16b8e58 (このIDを非表示/違反報告)
＊くらげ＊(プロフ) - コメント失礼致します｡お気に入り登録失礼致します!!誰が何をしたという事や登場人物の心情が分かりやすく,丁寧に書かれていて,凄く物語に引き込まれて,読みやすかったです!!更新,楽しみに待っております!! (2020年8月14日 16時) (レス) id: 95c16b8e58 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：スプラトゥーン盛り上げ隊 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/novel/f8abbae60510/
作成日時：2020年8月14日 16時
