星の集まり【短編集】

2 ページ8

ワタシはイカホを開くと、そこにはマスクから、
『明日なんて来なければいいのに』
というメッセージが届いていた。
『やっぱ忘れて』
そう続けて送られてきた。
弱音を吐いてしまうほどに、彼は弱っている。
きっとそれは、たくさんのものを背負ったまま、乗り越えようとしてるからだよ。
だから、ワタシと行こうよ。
キミの小さな手をつないで、明日へと導くよ。
例え、ワタシがこの世から消されるくらいに遠くに飛ばされたとしても。
大量のバトルを終えたワタシは、真っ暗になった夜を走る。
夜を切り裂くように、自分の中のアクセルを踏み込む。
マスクから逃げた昨日までのワタシなんか、置き去りにして。
必死に、必死に、ただただ走る。
周りがどんな目で見ていたって気にしない。
ワタシはただ、ただ、キミと、前へと進みたいんだ。
マスクの家に着いて、ワタシはドアを開けようとする。
しかし、ドアはかぎが閉まっていては入れなかった。
マスクの家は、一つだけ電気がついており、窓も空いていた。
これしかない。
そう思ったワタシは、マスクの家の壁にインクを塗り、上った。
今思えは、ドアホン押せばよかったなと思うけれど。
そして、机にうなだれるマスクに、
「一緒に行こう！」
と言った。
彼は驚いた顔をして起き上がると、
「いきなり何だよ〜」
と特に何もないような顔をして言った。
ワタシは彼の言葉なんて気にせず、
「ワタシだって、不安だよ。明日何が起こるかなんて、分からない。でも、それはみんな一緒！みんな、明日を恐れて生きている。そうやって生きていくんだよ。それに終わりなんてない。でも、今からは、ワタシと一緒に始めよう。不安な明日を、乗り越えるために」
そういって手を差し出すと、今度はちゃんと握り返してくれた。

後書き→←未来へ【コロイカ】

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す