サイハテトレイン【コロイカ】 ページ18
まだ日も明けていない中、一人で駅に向かう。
はぁと息を吐けば、白く息が見えるくらい、寒い日。
その息で手を温め、その温度を保持しようと、手をこすり合わせる。
しかし、たまに吹く風が、その熱を簡単に奪い去る。
そうなれば、温めるのすら諦めてしまう。
駅に着くと、改札を定期券ですり抜け、行先のホームへ向かう。
朝が早いため、目をこする。
少しだけ覚醒した目で、ワタシは自分の腕時計を見る。
幼馴染とおそろいのその時計は、午前四時の少し前を示していた。
パラパラといる人たちの中で、ワタシは始発電車を待つ。
バトルができる年齢になったにもかかわらず、ワタシはこうして学校に通い続けている。
14歳になった人から選手となり、3年もたった今、クラスには二、三人しかいない。
それも、ワタシのように挫折したわけじゃなく、選手とは違う職を夢見たインクリングたち。
でも、ワタシは彼らのように夢なんてない。
最初こそ、ワタシもバトル選手を目指していた。
14歳になり、権利を得て、親から初心者武器、ギアを手に入れた感動は今も覚えている。
目の前が希望に満ち溢れ、憧れの存在へ近づくその様子を、幼馴染であった彼もまた、喜んでくれた。
誕生日の次の日、ワタシは初心者デビューを果たす。
幼馴染の彼もとい、今ではS+として恐れられている、ライダーとともに。
バトルの最初は順調だった。
キルをたくさん取れた。
思うようにことが進み、バトルが楽しく思えていた。
でも、その試合は負けた。
「初心者がキルに突っ込んでいくとかマジありえない」
「度胸ありすぎ」
「身の程をわきまえてほしいよね〜」
そう笑う上級者たちを、ワタシは見ていた。
何故初心者は、キルを取りに行ってはいけないの？
何故初心者は、度胸を持っていてはいけないの？
何故初心者は、そんなに下に見られなくてはいけないの？
そう考えていたら、ライダーがワタシの肩に手を置き、
「気にすんじゃねぇよ、Aはよく頑張った」
と励ましてくれた。
そんな彼に、
「うん、そうだよね」
と返したが、内心、初心者に文句を言う彼らの言葉が、腑に落ちなかった。
その後もバトルに出かけたが、どれも負け試合となった。
初心者がキルに突っ込むから、初心者が塗りをしないから、初心者がいるせいで、と何度もののしられ、ワタシはバトル選手の道を諦めた。
そして今、ワタシはここにいる。
ホームでは、疲れているのか、座っているベンチでうとうとしているサラリーマンがいる。
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RESUTE(プロフ) - reimariasaizaさん» コメントありがとう。もう分かっちゃった？伝わったなら嬉しいな。 (2020年6月20日 6時) (
レス) id: 0891d09283 (このIDを非表示/違反報告)
reimariasaiza(プロフ) - 「僕は悲しい【オリジナル】」ああああなるほど泣きそう…(´;ω;｀)←は？ (2020年6月20日 0時) (レス) id: 76e319c3c7 (このIDを非表示/違反報告)
reimariasaiza(プロフ) - RESUTEさん» 承知！(*'▽') (2020年2月2日 19時) (レス) id: 24a44df526 (このIDを非表示/違反報告)
RESUTE(プロフ) - reimariasaizaさん» コメントありがとう。歌詞を見ながら書いたらそうなった。褒めてくれてとっても嬉しいよ。また別の曲も書くけど、日曜公開予定だよ。 (2020年2月2日 19時) (レス) id: 0891d09283 (このIDを非表示/違反報告)
reimariasaiza(プロフ) - 凄い…説明文のセンスありすぎ…(誉め言葉)曲聴きながら読んだけどいい曲だった！文才すごい。あと続き待ってるね(((( (2020年2月2日 19時) (レス) id: 24a44df526 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：RESUTE | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/f8abbae6051/
作成日時：2020年1月20日 12時
