8話 ページ9
ライダーさんがそう言ったので、
「おやすみなさい」
と返した。
すると、
「オマエ、起きてたのか」
と恥ずかしそうに言った。
聞かれたくなかったのかな？
「ごめんなさい。寝たふりしていた方が良かった？」
ワタシは起き上がって、顔を向けて言った。
「いや、いい。おやすみ」
ライダーはそう言うと、寝る態勢につく。
そして2人とも完全な眠りにつく。
ワタシは塾で通っていた道に立っている。
ここは幼稚園の頃仲よかった友達の家の前。
中学校で会ったけど、6年前のことだからワタシのことを忘れていた。
もう、あの頃のように遊べない。
あの子の問題じゃない。
ワタシの抱えた問題のせい。
道路のど真ん中に立っていたワタシ。
横に現れたのは、車。
ワタシに向かって走る。
そこで目が覚めた。
ワタシは涙を流している。
死にたくない、その思いから出た涙。
時計を見ると短い針は2時を指している。
隣のライダーさんはスヤスヤ寝ている。
誰かがいるところで泣いちゃいけないって言われていたのに。
バレてないから怒られないけど。
自分の寝ていた場所を確認する。
濡れている。
ライダーさん怒るかな？
「どうした？」
ライダーさんの声にハッとする。
起こしてしまった。
急いで涙を拭う。
「ごめんなさい。起こしてしまって」
いつもの無表情を心がけて言った。
ライダーさんに嫌われたくないから。
ライダーさんが濡れている場所に近づく。
どうか、気づきませんように。
そしてワタシを自分の方へと抱き寄せる。
え？
なんで？
予想外の行動に驚きを隠せない。
怒ってる人は抱き寄せたりしないよね？
じゃあ、なんで抱き寄せたの？
分からない。
でも、嬉しい。
小さい頃はよく親に抱っこしてもらったりした。
姉や妹は親にわがままをよく言った。
だから、よく怒られていた。
ワタシはそんな2人を見ていた。
だから、怒られないように頑張った。
少しでも親の負担がなくなるように努力した。
だから、2人より怒られなかった。
でもその分なんでもできるからと、あまり見てもらえなくなった。
正直、姉や妹が羨ましかった。
でも、わがままを言うことも、怒られて平気でいることもワタシにはできなかった。
ワタシが弱虫だから、『寂しい』の一言が言えなかった。
でも、もう言えない。
だって、家族は・・・。
そこまで考えてやめた。
考えても、願っても、嘆いても、帰ってこない。
前へ進まないといけない。
でも今は、今だけはあの頃のように甘えてもいいかな？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 15人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
チョコミントアイス好き - もう占いツクール見てなかったらすみません。 (8月3日 7時) (
レス) id: 8e86fe11f1 (このIDを非表示/違反報告)
チョコミントアイス好き - 最強戦士の旅行４を見たいのですがRESUTEさんのパスワードが分かりません。どうすればいいですか？ (8月1日 7時) (レス) id: 8e86fe11f1 (このIDを非表示/違反報告)
RESUTE(プロフ) - (´・ω・`)さん» コメントありがとうございます。次回作は明日の10時ごろ出します。それまで、もうしばらくお待ち下さい。楽しみにしていただけてとても嬉しく思います。 (2019年10月12日 8時) (レス) id: b5be29a6a7 (このIDを非表示/違反報告)
(´・ω・`) - 次回作だー！ﾔｯﾎｰｲ (2019年10月12日 0時) (レス) id: de5abaaceb (このIDを非表示/違反報告)
RESUTE(プロフ) - 夢桜さん» アーミー 「このようなこと、我輩のマニュアルに載っていなかったからな。よし、メモしておこう！貴様もメモしておくのだ！・・・(何をメモするのだ？)」せっかくなので、アーミー に回答していただきました。 (2019年10月1日 18時) (レス) id: b5be29a6a7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：RESUTE | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/f8abbae6051/
作成日時：2019年9月23日 18時
