7話 謎の高校生。 ページ7
俺達の目の前に突然現れた女子高校生。
そいつは俺達の曲をべた褒めしてあげく、ビンタをお見舞いされた。
いまのJKってこんなんなのか。
「ごめんなさい。もう戻らなきゃ。じゃまた。」
なんて言ってまた突然消える。
ふわりと軽いポニーテールから除くうなじとと白い制服。
頬柔らかかったなぁなんて思ってた拳を握る。
間近で見る顔はなんていうか、夢がある感じ。
見てて眩しいんだよな。うん、若い若い。
「あれ?依与吏さんまさか?」
そんな様子を見てあらっという感じで口に手を当ててニヤニヤする寿をどつく。
ゴスっと頭に鈍い音が響く。
「イテテっ冗談冗談っ!!」
お前もさっき赤くなってただろ…。
「ほんとに初めてだったからね褒められたの。」
「確かに、不思議な子だったよな〜。」
俺の言葉に和也が頷く。
「俺達、まだ音楽やってていいって事だよね。」
確かに…。あの子が作った理由に変わりはなかった。
「あ…。」
「次は何だよ。どしたの寿?」
「名前、聞きそびれた。」
「「あ…。」」
「もっと言うとあっちも【back number】しか知らないし。」
「「あ…。」」
名前もわからない少女に俺達は不確かな未来を預けてしまったらしかった。
咄嗟に俺はさっき貰ったカフェオレを飲み込んだ。
「あっま。」
口の中に生温い甘さが広がった。
再度拳を握って、また俺達は演奏を再開した。
─────某年後
相変わらず売れない毎日。
あの子にあった日からなんにも悲しいことにあまり変わってはいない。
だけど、ライブ会場でライブさせてくれるぐらいには成長した…と思う。
今日は何かお偉いさんに呼び出された。
絶対これ俺らの人生詰んだ報告。
「あの約束果たす前にクビとか?」
「縁起でもないこと言うなよ。笑えないから。」
いつものボロいミーティング場じゃなく、しっかりとした部屋に招かれた。
その中で口々に笑えないジョークを言い合う。
(もう少し音楽やってたかったな。)
カチャリとドアが開く音がしたので顔を俯ける。
(うわ…きた。)
「こんにちは。」
どこかで聞いたことあるような声がして、顔を上げた。
「これからback numberのマネージャーになります。七瀬Aです。」
その顔を見て、俺達3人は驚きを隠せない。
差し出された手の先には、にこりと微笑むあの子の笑顔が待っていたから。
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作者名:あられ☆彡。 | 作成日時:2017年8月6日 11時